ノーマル車両ながら急斜面の雪上を楽々走破
さて、メインイベントとなるゲレンデタクシーの同乗体験に戻ると、じつに5年ぶりの復活とあって、初日18日の参加受付開始時刻である午前9時には、すでに長蛇の列が。午前の部の参加枠はほどなくして受付終了となる盛況ぶりだった。
実際のコースを目の当たりにすると、徒歩でも登るのにはひと苦労しそうなほどの急斜面で、そこをクルマがテールを振りながら走り抜けていく姿はまさに壮観。
使用される車両は、先日登場したばかりの新型クロストレック ストロングハイブリッドモデルをはじめとして、フォレスター、レガシィアウトバックといったスバルの誇るSUVモデルたち。驚くことに、特別な改造はまったく施されておらず、市販状態にスタッドレスタイヤを装着したのみだ。
ドライバーのひとりに話を聞くと、普通に走るだけではなんの苦もなく走破してしまうので、各車に装備されるドライブモードセレクトシステム「X-MODE」の設定は、悪路走行に特化した「DEEP SNOW/MUD」モードではなく、あえて舗装向けの「NORMAL」モードを選択。そうすることで電子制御システムの介入を最小限に抑え、お客さんが喜んでくれるような派手な走りをしているという。
これはすなわち、スバル車の雪上性能の限界はさらに上にあるということの証左であるといえるだろう。一般的にSUVの悪路走破性能は本格的なクロカンモデルに及ばないとされるが、スバルの4WDモデルにおいては例外なのだ。
参加者の声を聞くと、やはり同乗してみるとその雪上性能に改めて驚かされたという声が多かった。こちらは、BG型レガシィ(2代目)からスバル車を乗り継ぎ、先日発表されたレガシィアウトバック30周年記念車を購入し、現在納車待ちだという新治さんとその御一行。「ヒルディセントコントロールをはじめとした制御など、随所に進化を感じられる。スバルの四輪駆動の真髄を感じた」と感慨をコメントしてくれた。
ゲレンデタクシーの参加者を見ていると、このために来場したという熱烈なスバリストの皆様はもちろんだが、子ども連れや若い女性団体など、クルマ好きではないがスキーのために来場しており、偶然足を運んだ方々も思いのほか楽しめたという声も印象的だった。
そして最後に、ゲレンデタクシー同乗体験が午後の部まで終了し、スキーコースがクローズした午後8時からは、2024年シーズンを戦ってきたラリー車両でのデモランが行われた。新井選手、鎌田選手のドライブによって、実際のウインターラリーかくやのスピードでゲレンデを駆け抜ける競技車両は凄まじい迫力。一日を締めくくるにふさわしい圧巻のデモランとなった。
ゲレンデタクシー2025の日程は、1月18日(土)、19日(日)、25日(土)、26日(日)の4日間。来年度の開催予定については現時点でアナウンスされていないので、興味を持たれた方は残り2日間でぜひとも足を運んでほしい。