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日本だけじゃなく世界的に「新車販売の世界」は男だらけ! 令和の世でも変わらない根深い事情

日本だけじゃなく世界的に「新車販売の世界」は男だらけ! 令和の世でも変わらない根深い事情

この記事をまとめると

■新車ディーラーに女性セールススタッフが少ないのは日本に限ったことではない

■女性セールススタッフをお客の女性が敬遠しているという傾向がある

職場環境は改善しても女性が魅力を感じられない職場となっているようだ

いまだ女性のセールススタッフが少ない新車販売の現場

 筆者は仕事柄、日常的に新車販売ディーラーへ足しげく通い様子を見るようにしている。海外出張に出かけた際も、訪れた国のディーラーへはできるだけ足を運ぶようにしている。そこで気になったのが、「女性セールススタッフ」が少ないのは日本国内だけなのかと思っていたのだが、少なくとも筆者が訪れた国々でも男性セールススタッフが圧倒的に多いのである。しかも、ジェンダーフリーなどの面では日本より先進的に思えるアメリカの新車ディーラーでも、店の軒先で来店客を待つセールススタッフは男性ばかりとなっている。

 日本国内に限っていえば、さまざまな法整備もあって男性のみを雇用することはできず、平等に採用しているはずなのに、販売現場で女性セールススタッフに出会うことは少ない。

 筆者が大学生で就職活動をしていた時期は、ちょうど「男女雇用機会均等法」ができて間もないころであった。法律ができたとはいえ、その当時の世のなかはいまでは信じられないほど「女性なのに」とか「女性だから」という風潮が残っており、会社勤めをしても男性との待遇差が歴然としていた。そのなか、販売実績が最大の人事評価となる新車販売は、男女を公平に評価してもらえる仕事としてセールススタッフを志す女性もいた。

 しかし、それから30数年経ったいまでも、新車ディーラーのショールームにいる女性といえば、事務作業をメインに来店客に飲み物を出すスタッフや、「コンシェルジュ」のような立場で来店したお客の用向きを聞き、セールススタッフなどへ引き継ぐといったスタッフばかりが目立つ。

 お客の家などでの外売りがメインのころでは、「女性をひとりで行かせるのは危ない」とのこともあり店頭接客のみとするなど、「女性だから」として行動制限もあって実績がなかなか伸びないということもあったが、いまや店頭商談がほとんどとなっているので、その点では男女差もなくなってきている。

「『女性の敵は女性』ということを聞いたことがあるかと思いますが、家族連れなどのお客では、女性パートナーの印象があまりよくないこともあるようです」とは事情通。

 事情通によると、「旦那に色目を使っている」などと勘繰られて商談自体が破断することもあるそうだ。女性セールススタッフ個々のパーソナリティによるところもあるようで、女性セールススタッフのタイプによっては、かえって女性客と意気投合するといったこともあるので、「女性」という広いキーワードではなく、あくまで個々の女性セールススタッフへの「タイプの違い」の問題ともいえる。「すでに管理職となっている女性もいますので、昔よりは就業環境やお客の意識も変わってきていますので、働きやすくなってきているのは間違いないです」(事情通)。

 新興国ではともかく、アメリカでも女性よりも男性セールススタッフが目立っているのは不思議な話にも見えるのだが、やはり「女性の敵は女性」のようなことがあるのだろうか。

 日本に限っていえば、新車の売り方も含めて昭和、そして平成と「男の職場」的色彩が強すぎた。それは、積極的に外で売らなければならなかったという売り方も大きく影響していた。令和のいまでは新車の売り方もずいぶん変わってきており、女性セールススタッフも増えておかしくないのだが、そもそも男性より女性はクルマへの思いはそれほど強くないのが一般的であるし、そもそもいまどきは職業としても女性から見れば魅力を感じてもらえなくなってしまったのかもしれない。

 どうしても「油まみれ」のような印象も先行しがちなので、BEV(バッテリー電気自動車)が販売のメインになれば見える風景は変わるのかなあなどとも考えている。

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