正月早々に店を開ける新車ディーラー! 狙いは「初売りセール」以外にもあった (2/2ページ)

普段来られないお客が正月は集中

 降雪の心配の少ない東京及び隣接県といった立地のディーラーにおいて、ここ最近での年末・年始休業明け直後に多いのは、スタッドレスタイヤなど冬用タイヤへの交換依頼なんだそう。

 フリーのもち込みというものはさすがに少ないようであるが、お得意様からの依頼が目立つようだ。雪のシーズンが迫る時期で法定点検を行うタイミングでは、冬用タイヤへの交換を希望するお客も多いとのこと。

「法定点検ではタイヤを外して点検を行いますので、交換作業自体について別途費用も請求しないと、あるディーラーでは聞いています(事情通)」。

 だだし、交換した夏用タイヤの保管は有料あるいは取り扱わないところが多いようだ。

 初売り初日にディーラーを訪れると、点検作業が終わるのを待つ人が意外なほど多く、メカニックも忙しそうにしている光景によく出喰わす。普段ならディーラーへ点検のためにもち込む時間をわざわざ作らないといけない人も多いが、正月休み中ならば暇をもて余している人も少なくない。さらに、毎日仕事で使っている商用車なども、正月休み中に点検できるということは、会社側からしてもありがたいようである。

 トヨタ系ディーラーは一般企業の仕事始めと同じタイミング、つまり1月6日や7日から仕事始めとするところが多い。圧倒的な国内販売シェアを背景に、トヨタ車にすでに乗っている既納客への計画的な乗り換え促進がメインとなっていることもあり、「初売り」にはあまりこだわらないようである。

 ただ、1月の稼働日が少なくなるので、1月に点検・整備予定のお客の車両を年内、つまり12月中に前倒しで作業をある程度行い、正月休み明けの負担をできるだけ取り除く動きを見せていたトヨタ系ディーラーもあったと聞いている。

 トヨタ系ディーラー以外のメーカー系ディーラーのなかで、毎年年初に早めに店を開けるところは、販売促進ということもあるのだが、稼働日をできるだけ増やして点検・整備などの業務が集中することなく、できるだけ分散させようという狙いもあるように見える。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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