ヒョンデ・インスターの日本車キラーっぷりがヤバい! 軽自動車を研究して誕生したスモールSUV

この記事をまとめると

■東京オートサロンではヒョンデが「INSTER(インスター)」をもち込んだ

■ヒョンデでは「スモールSUV」として扱われる

■日本の軽自動車を参考にしたという愛くるしいデザインが特徴だ

話題のEVが日本上陸

 ヒョンデは、東京オートサロンにて4車種目のEVとなる「INSTER(インスター)」を発表した。日本の狭い路地や住宅地でも使いやすいとする同車のデザインの特徴はどこにあるのか? 今回は会場で同社商品担当の佐藤氏に話を聞いてみた。

●カッコかわいいをイメージしたデザイン

 IONIQ5やKONAなど、じつに個性的なEVのラインアップを展開するヒョンデだが、新型INSTERもまたユニークなエクステリアで登場した。全長3830mm、全幅1610mmのコンパクトサイズは日本の道路でも使いやすいとされるが、ではこの商品企画はどこから始まったのか?

「このクルマはグローバルではINSTERという名前ですが、韓国ではCasper(キャスパー)として販売されていて、実質2代目に当たります。先代は韓国の軽自動車規格で一般的なガソリン車でしたが、今回EV化に当たってひとまわりサイズアップさせたんです。いずれも室内は広く、外形サイズはコンパクトにという合理的なパッケージですね」(MI/商品チーム 佐藤 健氏。以下同)

 フロントでは、丸形のLEDを使った上下2段構造のライトがまず目に飛び込んでくる。旧くは日産のジューク、最近でも三菱やシトロエンなど世界的なトレンドとなっている表現だが、INSTERではより愛らしい表情に見える。

「エクステリア全般に「カッコかわいい」をイメージしていまして、広報展開用の顔のマークにもあるように、擬人化した可愛さを狙った表現ですね」。

 一方、ボディの側面は基本的にシンプルな造形であり、前後のウインドウを独立させた太いBピラーや、前後フェンダーの独特の張り出しが特徴だ。

「このクルマはハッチバックではなく、当社としてはスモールSUVと呼んでいます。ピラーの太さや張り出したフェンダーはそのSUVらしさを意図したものですね。デザインは韓国のスタジオが主導しましたが、じつは開発に当たっては日本の軽自動車をかなり研究したんです。フェンダーなど、限られたサイズのなかでの表現にその効果が表れていると思います」。

●日本の軽自動車を研究したデザイン手法

 リヤでは、角を丸くしたバックウインドウが大らかさと可愛さを巧く表現しており、角度を強めに寝かせることでコンパクトさを担保している。また、ヘッドライトに合わせた丸形のテールランプも愛らしさをよく表しており、同社のEVに共通するピクセルデザインのアクセントも実に効果的だ。

 また、インテリアでも日本の軽自動車を研究したと思われる点が見受けられる。とくに空調口やセンターコンソールなどの精緻な作りはいかにも日本車的だし、ステアリングスイッチやシート柄などにも共通点が感じられる。

「SUVとしてのユーティリティの高さも研究がされていて、フロントシートを完全に前に倒すことができたり、あえて4人乗りとすることでリヤシートも50:50でスライドやリクライニングなどが可能になっています」。

 また、ボディカラーも見所で、たとえば「トムボーイカーキ」や「シエナオレンジメタリック」など、いわゆるアースカラーはこのコンパクトでシンプルなボディによく似合うし、5色を用意した点はヒョンデの本気度を感じるところだ。

 世界的にEVへの逆風が語られる昨今だが、日産のサクラをはじめ、街なかで使い勝手のいいコンパクトタイプのEVにはまだまだ商機があるのかもしれない。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
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オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
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