この記事をまとめると
■ニュルブルクリンクのラップタイムをはじめとする記録はいつの時代もロマンの塊だ
■「Lynk&Co 03 シアン・コンセプト」はニュルブルクリンクでFF最速タイムを記録した
■旧ポールスターのシアン・レーシングが手がけたマシンはFFながら528馬力を発揮
ニュルFF最速・4ドア最速を同時に塗り替えた思わぬ伏兵
スポーツやレースにおける記録というのは、数字に形を変えたロマンだなどといわれることもあるようです。すると、ニュルブルクリンクの最速ラップタイムはかなりのロマンが期待できそうです。
たとえば、Lynk&Co 03 シアン・コンセプトという聞きなれないFFマシンは、FF最速マシンと評されるホンダ・シビックタイプRやルノー・メガーヌR.S.ですら届かないタイムを叩き出しています。果たして、どれほどロマンあふれるマシンなのでしょうか。
03 シアン・コンセプトは、旧ポールスター、現在はシアン・レーシングを名乗るメーカーが作り出した開発用マシン。このポールスターとはボルボのプレミアムブランドであり、すなわち中国の吉利グループ傘下ということ。ベースとなるのも吉利グループの高級車ブランド「Lynk&Co」の03というモデルです。
03 シアン・コンセプトは、彼らがFFの4ドアハッチバックモデルとして開発していたものですが、その一環として、2019年にニュルブルクリンクのフルレイアウト(ノルドシュライフェ+GPサーキット)でタイムアタックを敢行。ベストラップはFFモデル最速というだけでなく4ドアモデルとしても最速の7分20秒143、平均時速は170.4km/hというとてつもない記録を打ち立てたのです。
ちなみに、当時FF最速であったメガーヌR.S.のフルレイアウトでのタイムは7分45秒389と記録されていますから、03 シアン・コンセプトはダントツでニュルブルクリンクFF最速マシンということに。
ただし、Lynk&Co 03 シアン・コンセプトはあくまでアタックのためのワンオフモデルという位置付け。市販車としてのFF最速モデルの座は、2023年に7分44秒881を記録し、上記のメガーヌR.S.のタイムをさらに塗り替えたホンダ・シビックタイプRが現在も保持していますのでご安心を。