シビックタイプRもメガーヌR.S.をも圧倒するニュルFF最速タイム! バカッ速マシン「Lynk&Co 03 シアン・コンセプト」って何もの? (2/2ページ)

じつはシアン・レーシングにはニュル攻略のノウハウがあった

 さて、思わぬ伏兵が現れるといった感じですが、シアン・レーシングはこれ以前にも450馬力のボルボC30コンセプトと508馬力のボルボS60コンセプトの2台を開発しており、そのテストコースをニュルブルクリンクに設定していたのだそうです。つまり、攻略の知見は十分に蓄えていたに違いありません。

 とはいえ、最速タイムはそうやすやすとマークできるものでもありません。03 シアン・コンセプトは528馬力を発揮する2リッター4気筒ターボエンジンに6速シーケンシャルミッションを組み合わせ、タイヤは285/30R20サイズのミシュラン・パイロットスポーツ カップ2を装着。ダンパーはオーリンズ製で、当然サーキット仕様にセッティングされた模様。

 肝心のドライバーも、2017年のツーリングカー世界選手権のチャンピオンだったセッド・ビョーク選手をブッキングしたといいますから、これはもう確信犯では済まされません。

 というのも、シアン・レーシングは、2017年の世界タイトルを獲得したボルボS60シアンTC1がフルレイアウトを8分34秒813でラップし、FFのレースカーとして史上最速のラップレコードを保持しているほか、2016年にはボルボS60コンセプトでは、北コースで7分51秒110のタイムで4ドアロードカーのラップレコードを保持するなど、ニュルブルクリンク・マスターと呼んでも差し支えのない存在。ボルボだろうが、Lynk&Coだろうがおかまいなしにタイムを追求しているのです。

 もちろん、こうした記録は更新され続けるものですから、いつかは03 シアン・コンセプトを凌駕するマシンが生まれるはず。記録は打ち立てるのもロマンがあるものですが、追い越すことを目指すのもまた夢あるロマンに違いありません。果たして、次のニュルFF最速はどこのマシンが樹立するのか楽しみでなりません。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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