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かつては憧れの象徴だったアメ車! いつしか日本で人気がなくなったのはなぜ?

かつては憧れの象徴だったアメ車! いつしか日本で人気がなくなったのはなぜ?

この記事をまとめると

■日本の輸入車市場ではドイツ車を中心とする欧州車の人気が高くアメ車は人気がない

■憧れの存在だったアメ車は1970年代の排ガス規制を機にその存在感を失っていった

■日本ではテスラはアメ車という印象が薄く「テスラはテスラ」として認識されている

アメ車は大柄で大トルクなクルマというイメージが定着

 日本で輸入車といえば、ドイツのメルセデス・ベンツ、BMW、VW、アウディ、ボルシェ。イタリアのフェラーリ、ランボルギーニ、マセラティ、アルファロメオ。フランスのルノー、プジョー、シトロエン。そして、イギリスのジャガー、レンジローバー、スウェーデンのボルボなど、欧州車が主流である。日本自動車輸入組合(JAIA)の直近データでは、2014年11月のブランド別販売台数は、1〜11月総計で、メルセデス・ベンツが4万7965台、BMWが4万1313台、VWが3万1269台、アウディが1万9224台と続く。

 一般的なアメ車のイメージでいうと、ジープが8673台と根強い人気があるほかは、シボレーが538台、キャデラックが401台にとどまる。

 こうした数字が示すように、日本の街なかでアメ車を見かける機会はとても少ない。2000年代には、ハマーH2や、フォード・エクスプローラーなど、フルサイズSUVの姿を見かけることもあったが……。

 では、どうして日本でアメ車に乗る人は少ないのだろうか。

 時計の針を戻せば、明治維新後に日本の近代化が進み始め、自動車は主にアメリカから輸入されるようになった。フォードやGMが日本で幅を利かせていたのだ。第二次世界大戦後になり、日本の経済成長が始まった1950年代から1960年代も、企業のお迎えクルマや富裕層向けでさまざまなアメ車が東京周辺で走っていたものだ。それが、1970年代の排気ガス規制を契機に、アメ車の存在感は日本で一気に薄れていった印象がある。

 また当時、メルセデス・ベンツは高級車であったが、「190」シリーズの登場をきっかけに大衆に広く知れ渡っていった。さらに、多くの人にとっての輸入車エントリーモデルであった、VWビートル、ゴルフ、そして女子大生に人気を博したアウディ80など、1980年代頃には日本での欧州車志向が大衆にも広がり始めたと記憶している。

 一方、アメ車については、GMサターンが日本市場の切り崩しを図るも需要は伸びず。これが「日本市場にマッチしたアメ車」という発想の限界を示したといえる。

 アメリカ政府は一時、日本でアメ車のシェアが低いのは「非関税障壁だ」という指摘があったが、結局、アメ車の醍醐味は大きなボディと大トルクエンジンにある。それをユーザーが望んでいるのだと思う。

 ただし、忘れてはいけないアメ車がある。テスラだ。これほど日本で人気となったアメ車は過去にはないだろう。

 だが、多くの人がテスラをアメ車としては認識していない。テスラはあくまでもテスラなのだ。

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