時計にサングラスに靴にタワマンまである「ポルシェ・デザイン」! クルマの「ポルシェ」との関係ってなに? (2/2ページ)

歯ブラシからタワーマンションまで手がける

 また、品番P’8479と呼ばれるサングラスも、ジョン・レノンの妻として有名なオノ・ヨーコさんがかけていたことから世界的なアイコンとなりました。オノさんは公の場面ではだいたいこのP’8479をかけていたことも手伝って、世界中で1100万個以上が売れたとされています。

 ちなみに、このサングラスもカラーリングはブラックであり、クロームメッキや派手なカラーは一切使われていないというじつにポルシェ・デザインらしいもの。

「対象の機能を分析すれば、おのずとそのフォルムが浮かび上がってくる」ブッツィが遺した言葉どおり、ポルシェ・デザインはシンプルで無駄を排し、クールで無機質な印象を抱きがち。ですが、実際は手に馴染み、どこかヒューマンタッチな温かみさえ感じる不思議な存在。2004年にブッツィが現役を退いた後も、その哲学はしっかりと踏襲されているようです。

 そして、2004年になるとポルシェはポルシェ・デザインが一族以外の手に渡ることを恐れたのか、「ポルシェ・デザイン・スタジオ」を子会社化しました。それからの無双っぷりは凄まじく、歯ブラシ、香水、トースター、やかん、コンピュータ、ファッション、さらにはアメリカの富裕層が終の棲家に選ぶといわれるマイアミでタワーマンションのデザインまで手がけているのです。

 そして、2022年にはポルシェ・デザイン創立50周年を記念したメモリアルな911を限定発売。プライベートでもブッツィが気に入っていたといわれるタルガをベースとして、サイドスカットルにはロゴをあしらい、ボディカラーは当然のごとくブラックが選ばれています。

 たとえポルシェのマシンには手が届かずとも、ポルシェ・デザインをひとつでも手に取れば、彼らがもつスピリットや哲学に触れられること請け合いです。とりあえずは、歯ブラシからでもチャレンジしてみるのはいかがでしょうか。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
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