2027年に大きく変わるWRCのマシン規定! ハッチ一辺倒じゃなく昔のようにセダンにクーペと色んなマシンの登場に期待!! (2/2ページ)

さまざまなボディスタイルで争われるWRCをまた見たい

 思い返せば、1987年よりWRCの主役となったグループA規定では、ランチア・デルタを筆頭とするハッチバックに加えて、スバル・インプレッサ、三菱ランサーなどのセダン、トヨタ・セリカなどのクーペが最前線で活躍していた。

 1997年に幕を開けたWRカー規定でも、トヨタ・カローラ、フォード・フォーカスなどのハッチバックに加えて、スバル・インプレッサや三菱ランサーといったセダン、さらにプジョー307などのクーペカブリオレが参戦するなど、じつに車種バリエーションが多彩だった。

 当時、一般的には前後のオーバーハングとホイールベースの短いハッチバックは「振りまわせてコントロール性が高い」といわれており、逆にセダンは「空力性能が高く、高速コースで強い」といわれるなど、ラリー車両のスタイリングによって個性があり、コースサイドで見ていても楽しいものだった。

 しかし、近年のWRCはBセグメントのハッチバックばかり。ラリー1だけでなく、ラリー2で争われるWRC2を含めて、車種ラインアップという面ではかなり寂しい状況といえるだろう。

 逆に下位クラスやナショナルシリーズへ目を向けていくと、2024年のラリー・ジャパンでも注目を集めていたが、アルピーヌA110R-GTなどのスポーツカーの走りは魅力的で、全日本ラリー選手権に新井敏弘選手が投入するスバルWRX S4といったセダンも迫力満点である。

「メーカーとして売りたい新型モデルと、そのタイミングでレギュレーションが合致するのなら、世界選手権に参戦することは不可能ではないと思う」。

 そう語るのは某国産の自動車メーカーの関係者だが、おそらく国内外を問わず、多くの自動車メーカーがそう思っているに違いない。

 そういった意味でも、2027年に導入されるといわれる「WRC27」も、セダンやクーペ、スポーツカーが参戦できるように、ボディサイズを含めて自由度の高いレギュレーションになることを期待したい。


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