シビックRSSのための「FL5型・シビック」用パーツも準備万端
今回の展示では、その開発の裏側が垣間見られるコーナーが設けられていました。空力の開発では、CFDという数値流体力学のコンピューターによるシミュレーションが欠かせません。ここではそのCFDによる解析の具体例が展示されていました。
走行性能を高めるうえでの空力の目的のひとつは“ダウンフォースの向上”ですが、そこで重要になるのは、単純なダウンフォース向上の値ではなく、前後バランスの最適化や、あらゆる速度域での安定性向上です。
そのためにまずCFDでの解析を徹底的におこない、その結果をカタチにして実走で検証、というプロセスを繰り返して、「無限」の製品として納得のできる妥協の無いレベルに仕上げられています。
これは、実際にハンドルを握って走行すれば、安定性と接地感の向上として誰もが実感できるレベルで達成されているそうです。
軽量化の点では、トータルで38kgという数値を実現しています。この数値を少ないと捉える人もいるかもしれませんが、FF最速の一翼を担う性能が込められた「シビックタイプR」は、当然のことながら軽量化にも最大限の追求がおこなわれています。そこからさらにダウンフォース性能の向上を加えた上で、製品としてのクオリティを確保しながら軽量化を実現するのは困難を極めたことでしょう。
この成果は、走り出した瞬間から軽快になったと感じられるレベルで現れているそうです。
展示コーナーでは、主な外装パーツが並べられていました。フロントフェンダーは手に持つことが可能となっていて、「タイプR」純正のものと持ち比べることでその軽さが確認できます。ときおり来場者の「おお、軽い!」という声が聞こえていました。
マフラーは先に発売されている「Group.A」と同じ構造のセンター1本出しタイプですが、ストリートを意識した「Group.A」ではステンレス素材が使用されていたところ、「Group.B」のものはチタンが使われていて、軽量化に貢献しています(ステンレスモデルも予定しているとのこと)。
ホイールは「BBS社」との共同開発によるもので、4本の重量は純正ホイール比でじつに10kgのマイナスを実現しています。開発にはレーシングドライバーの野沢智紀選手が加わり、タイヤのグリップ性能を最大限発揮させられるような剛性のチューニングがおこなわれているそうです。
内装でも、専用の仕上げが施されたステアリングホイールや、「レカロ社」とのコラボレーションによるフルバケットタイプのシート、カーボン製センターコンソールパネル、LEDテールランプユニットなどが展示されていました。
今回は価格も発表されました。「Group.B」のパッケージを構成する25種のパーツすべての合計で約1600万円となっていました。
今回の展示ではもうひとつ、2024年の9月に発売されたばかりの「シビック RS」用パーツが装着された車両も並べられていました。
こちらはすでに「FL5型・シビック」用として発売されているテールゲートスポイラーなどのパーツに加えて、「RS」の発売に合わせて新たに追加されるフロントアンダースポイラーやパフォーマンスダンパーなどが装着されています。
新製品は2月末の販売を予定しているそうです。