2025年度のフォーミュラジムカーナにはATのGR86を導入! あえて<MTじゃない狙いを考案者に直撃【東京オートサロン2025】 (2/2ページ)

GR86・ATモデルへの車両スイッチのねらいとは

 今年の変更点として注目度が高いのがマシンの変更だ。フォーミュラジムカーナ女子クラスは昨年と同じく日産自動車より貸与されるNOTE AURA NISMOを使用するが、フォーミュラジムカーナクラスはトヨタ自動車より貸与されるGR86のAT車を使用する。車両スイッチの理由はいくつかある。

 まずは業界全体でこの競技を盛り上げていくために現行車にしたかったという側面があるそうだ。そのなかでシンプルかつ競技に適していて、値段とのバランスを考え、総合的に適していると判断しGR86が採用された。そして現行車にするのは車両管理的な意味合いも大きい。

 昨年まではヴィッツGRMNを使用していたが、絶版の限定車であるため部品供給などの面で不安な部分があった。現行車ならばそのような心配はないという理由もある。

 AT車にした理由は、世界的に2ペダルが主流になっているのもあるが、多くの部員に乗るチャンスがある大会にしたいからだ。近年は入学後に自動車に興味を持ったという部員を中心にAT限定免許の部員もいるとのこと。また、MTの操作レベルが参戦する選手によって異なっているのもある。変速操作よりもまずは、運転そのものに集中してほしい、そんな狙いがあるのだ。

 展示されていた車両はまだノーマルの状態であったが、今後シーズンインに向けてBRIDE製のシートとCUSCO製のシートベルトが装着される予定だ。展示車と異なり、17インチを装着し、タイヤは昨年同様開催されるラウンド事に異なる協賛タイヤを装着する。そのほかの変更点はまだ調整中とのことだ。

 東京オートサロンではNAPACブースに今シーズンのマシンを展示。実際に昨シーズン参戦し、優勝した長岡技術科学大学のメンバーも足を運んでいた。実際にオートサロンの会場で「フォーミュラジムカーナへの参戦をきっかけに、就職が決まりました!」とブースで声をかける学生もいたそうだ。

 今シーズンは応援する企業も増える予定で、自動車関連企業としても魅力的な場になっているのは間違いない。フォーミュラジムカーナは自動車メーカーも応援していて、現地でブースを出しているが、サプライヤー系のパーツメーカーなどもブースを出展。そこでのコミュニケーションで、学生自身がやりたい仕事に近づく、具体的なイメージが持てる気づきを得られるケースもあるようだ。

 マシンチェンジによって更にパワーアップするであろうフォーミュラジムカーナにWEB CARTOPも注目していきたい。


西川昇吾 NISHIKAWA SHOGO

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マツダ・ロードスター(NB8C後期型)/ボルボV40 T4
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