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次世代も「ライトウェイトスポーツ」で一点突破! 「プロジェクトV」と「セブン170R」ケータハムらしさ全開【東京オートサロン2025】

次世代も「ライトウェイトスポーツ」で一点突破! 「プロジェクトV」と「セブン170R」ケータハムらしさ全開【東京オートサロン2025】

この記事をまとめると

■東京オートサロン2025にケータハムがブースを出展

■プロジェクトVとセブン170Rの2台を展示

■どちらも日本の技術とケータハムの信念を融合して仕上げられたクルマとなっている

ライトウェイトスポーツのレガシーと未来を一挙見せ

 最近、評判のいいクルマというと、デジタルとアナログの配分がちょうどよく感じられ、どちらにも偏り過ぎないで”コンバーター”的役割を務める統合制御が、絶妙だったりする。この”ハズしていない”バランスを感じさせるのが、ケータハムのブースだ。

 英国起源のライトウェイトスポーツブランドは、昨年に続いてEVコンセプト「プロジェクトV」と、昔ながらの葉巻型フォーミュラにフェンダーを付けたカタチをした「セブン170R」を展示。両極端のように見えて、じつはケータハムの2台は「ライトウェイトスポーツ」の一点突破であることで、深く通じている。

 まずデザインや、55kWhのバッテリー容量に272馬力の出力、230km/hの最高速と400kmの最大航続レンジといったスペックが先行していたプロジェクトVだが、昨年展示した淡いグリーンではなく、2025年は白いボディの右ハンドル仕様を披露した。そして、液浸式冷却のバッテリーに台湾のベンチャーであるXINGモビリティ、Eアクスルにヤマハというサプライヤーが昨年秋から確定的に明かされたことで、一気に生産への道筋がはっきりしてきた。

 まず、XINGモビリティは昨年末に、ガソリンスタンドでお馴染みの日本のエネルギー会社エネオスと、データセンターサーバーの冷熱マネージメントやバッテリーにおける液浸式冷却のノウハウを供給する戦略的提携の覚書を交わしたばかり。

 今回は、超コンパクトでまとまりのよいブロック状の「セル・トゥ・パック」になった、基部モジュール+セル1個のサンプルが展示された。セルはさらに2個、3個……と連結可能で、液に浸かっているがゆえの冷却効率の高さを実現すると同時に、リチウムイオンバッテリーの弱点である安全性を確保しているという。

 また、今回は残念ながら現物の展示はなかったが、Eアクスルはヤマハから「αライブEE(エレクトリック・エンジン)」という電動パワートレインが供給される。ヤマハは今シーズンからフォーミュラEにもチーム・ローラに電動パワートレインを投入するのは周知の通りで、メカトロニクスもエレクトロニクスも経験豊富なため、期待できる。

 しかも、車両として試作を担当するのは、数々の実証実験車両やプロトタイプ製作で実績ある東京R&Dで、いわばCHAdeMO対応も含め、ケータハム初のBEVライトウェイトスポーツカーは、日本そして台湾の技術で生産型の現実味が一気に増しつつあるのだ。

 さて、もう1台のセブン170Rだが、こちらも日本のテクノロジー、ガラパゴスなぐらいドメスティックなヤツを使っている。スズキの軽エンジンを積んでいるFRマシンなのだ。しかも自主規制ナシの85馬力仕様で車重は440㎏。トドメに車幅は1470mmのスリムさで、前後トレッドは1220mmと1301mmというナロートレッドで、タイヤは14インチ、さらに5速MTなのだから、走らせた際のプリミティブな楽しさは推して知るべし。

 軽さがもたらすコア・バリューを日本の実際的なソリューションを用いつつ大事にしている点で、素晴らしく首尾一貫した2台なのだ。

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