性能差を覆すカギは「ダウンヒル」!
あるいはダウンヒルならローパワー車でもハイパワー車と十分に渡りあえる可能性はある。
ハイパワー車というのは、得てしてローパワー車よりも大柄で重いものだが、その場合はブレーキがキツくなる。かたやローパワー車は軽さが武器になる。AE86のような小柄で軽いクルマのほうが「有利」といえるほどではないにせよ、勝ち目がないわけではなくなる状況もある。
また、漫画にもあった「溝落とし」がもしも上手くいけば、ローパワー車でも勝てる可能性がある。溝落としのようなことが本当にできるかどうかというのは意見がわかれるところで、ラリーでも溝や轍を使って小さく速く曲がるというテクニックは実際に存在するのだが、ラリーの場合は事前にレッキを行って可能かどうかを見極めている。
漫画の舞台となった榛名山(作中では秋名山)のワインディングロードを、じつは筆者は昨年末に通ったばかりなのだが、たしかに溝落としができるかもしれないコーナーは存在する。
理論的には、重くて遠心力が大きくて足まわりにも過大な負荷がかかるハイパワー車よりも、軽くて負荷が小さいローパワー車のほうが上手くいく可能性は高いといっても過言ではないと思う。
もちろん現実的には相当に難しいだろうが、絶対にありえないわけではなく、ローパワー車がハイパワー車に打ち勝つ可能性があるシチュエーションの有力候補として、ダウンヒルはいちばんに挙げておきたい。