人脈を築くのが購入も購入後も安心な旧車ライフの最善策
一方、クルマ専門でなくとも、国内のオークションサイトだってまったく使えないわけでもないでしょう。たとえば、ヒストリックレーサーのレアなパーツを扱っている出品者などはフォローしておくべき。パーツの入手ルートをもっているとしたら、実車だって脈がないわけではありません。
ただし、こちらの方法は「根気強く」というキーワードがついてまわるもの。手っ取り早くブイブイ吹かせたい方には向いていないのです。
そこまで気が短いと、ヒストリックカーのオーナーに「そのクルマ、よかったら譲っていただけませんか」と直撃しちゃうかもしれませんが、これまたハードルも高いしトラブルのもと。この場合は、「失礼ですがどちらで手に入れたのですか」が正しいアプローチかと。すると、相手がよほどの偏屈でない限り、入手先を教えてくれるはず。
あるいは、そのヒストリックレーサーをパドックでメンテナンスしているファクトリーに近づくのもあり寄りのアリ。ひょっとしたら「もう1台、似たようなクルマをもってるよ」とか「お客さんで、もう乗らなくなったマシンあるから、聞いてあげようか」などとトントン拍子だって期待できるかもしれません。
いずれにしろ、ヒストリックレーサーのような特殊なクルマの場合はウェブサイトのネットワークよりも、ヒトとヒトをつなぐネットワークのほうがスムース、かつ確実・安心だといえるでしょう。
ヒトとつながる、というアイディアであれば、昔ながらのブローカーに頼るのも一興ではないでしょうか。店舗をもたない販売業として、クルマの世界では古くからお馴染みかと。彼らは驚くべき顔の広さと、コンピュータ並の記憶力、そして人懐っこさでもって商売をしているわけで、誰も知らない秘蔵のコレクションだって場合によっては売ったり買ったり役に立っているのです。
こうした腕っこきの一流ブローカーでなくとも、知り合いになっておけば「1973年の911S、どっかに転がってない?」とか「ノンレースのMCSグッピー、無理かもだけどある?」なんてマニアックな望みに応えてくれる場合だってなきにしもあらず。もっとも、いまとなってはブローカーそのものが絶滅危惧種ですから、知り合うことすら難しいというのが現実かと。
やはり、イベントでオーナーやファクトリーと仲よくなって、なんちゃってブローカーみたいに愛想よく付き合いながら、ほしいマシンを虎視眈々と狙う、というのが最善策かもしれません。
いずれにしろ、そこらのショップで手に入らないものだけに、満足度はプライスレス! 買うまでも、そして買ってからもヒストリックカーの醍醐味が大いに味わえること請け合いです。