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電制カットでイキってるなんてにわか確定!? プロドライバーでも使ったほうが速いイマドキ電子デバイス事情 (2/2ページ)

電制カットでイキってるなんてにわか確定!? プロドライバーでも使ったほうが速いイマドキ電子デバイス事情

この記事をまとめると

■昭和の電子制御は性能が低くスポーツ走行においては否定的な評価が多かった

■現代では大幅に進化しておりドライビングの阻害となることはほとんどない

■いまや使ったほうが速いほどのスポーツ走行を支える存在となっている

いまはプロだって電子制御の助けを借りる!

 いまだに「電子制御はつまらない」というスタンスで最新テクノロジーを批判的に捉えているベテランドライバーは多い。そうした姿勢を見ているヤングドライバーは、「いくらなんでも“古き良き”マインドがすぎるんじゃないの?」と感じてしまうかもしれないが、ある世代にとって電子制御を否定的にとらえてしまうのは、原体験として仕方がないことかもしれない。

 たとえば、昭和が終わりを迎えようとしていた1980年代の電子制御は、たしかにスポーツドライビングをジャマするものが少なくなかった。

 その象徴ともいえるのが「ABS(アンチロックブレーキシステム)」だろう。滑りやすい低ミュー路などでタイヤがロックしてしまうとハンドルが利かなくなりアンコントロールになってしまう。そうした状況を防ぐためにタイヤロックを感知するとブレーキ圧を緩めて、自動的にポンピングブレーキのような制御をしようというのがABSのねらい。

 そうした基本的な設計思想はいまも変わっていないが、たしかに昭和のABSはいまほど制御がきめ細かくはなく、ABSが作動すると制動距離があからさまに伸びてしまうことも珍しくなかった。

 スポーティな走りをしたときも、ABSが作動することで思いどおりのブレーキコントロールができず、サーキット走行時にはヒューズを抜いてABSを機能しないようにしておく、という対策が大手を振って実施されていたこともあった。

 ただし、そうした対応は初期のABSに限った話だったのも事実。4輪のタイヤ回転を独立してセンシングする4チャンネルABSが採用され、ブレーキ圧の制御もきめ細やかになって行き、いつしか「ABSによって人間には真似できないレベルのブレーキングが可能になる」という評価がなされるようになった。2000年代には、プロドライバーまでもが「サーキット走行でもABSを利用して走ってますよ」というほどだ。

 ちなみに、スーパーGTのGT500マシンはABS装着が禁止されているが、それは速く走るためではなく、コスト削減であったり、より人間同士のレース要素を増やすためであったりといった狙いがあり、けっしてABSがないことでクルマが速くなるという意味ではない。なお、ジェントルマンドライバーも多いGT300クラスのマシンにはABSが装備されている。

 それはさておき、タイヤの縦グリップと横グリップを上手に使うには、ABSを活用することを前提とした走らせ方をするのが令和のスポーツドライビングだ。昭和のドライビングスタイルで踏力を変化させてブレーキコントロールをしようとするとABSの性能が引き出せないばかりか、バグのような症状が発生することもあるという。電子制御を信じて走るという意識が重要ともいえる。

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