この記事をまとめると
■3代目のシビック タイプRは8代目シビックをベースとした
■大きくて重いベースであったがタイプRの名に恥じないスペックを実現
■純正のサスペンションはかなりハードで街乗りには不向きだったといわれる
3代目のシビック タイプRを振り返る
国産ネオヒストリックスポーツカーの世界的な人気と中古車相場の高騰、残存台数減少などによる入手困難度の上昇は、近年ますます拍車がかかっているように見受けられる。
そのなかにあって、20歳代の若い社会人でも辛うじて購入できそうな車種としてWEB CARTOP編集部がオススメするのが、8代目ホンダ・シビックをベースとしたFD2型シビック・タイプRだ。
当記事ではこのFD2シビックRがどんなクルマだったか、現役当時の印象を振り返りつつ紹介したい。
FD2シビックRが発売されたのは2007年3月。2005年9月にデビューした8代目シビックの4ドアセダンがベース車に選ばれた。
というのも、北米向けの2ドアクーペや、初代フィットをルーツとする「グローバルスモールプラットフォーム」を用いた欧州向けの3ドア&5ドアハッチバックは、8代目の日本デビュー当時、日本には導入されず。
1世代前の7代目シビックでは、国内生産の4ドアセダン「フェリオ」と5ドアハッチバック、またイギリス生産のEP3型3ドアハッチバック「タイプR」をラインアップ。日本では8代目シビックへの世代交代を機に、4ドアセダンのみへと絞られ、「フェリオ」のサブネームも廃止された。
また2001年7月に4代目となった姉妹車のDC5型インテグラが「タイプR」を含めて3ドアハッチバッククーペを設定していたが、これもFD2シビックRに後を引き継ぐ形で2007年2月にモデル廃止とされた。
こうしたことから、4ドアセダンをベースに「タイプR」を作らざるを得なかったというのが実情だろう。
ただしこのうち8代目シビック3ドアは、イギリスで生産されたFN2型「タイプRユーロ」が、のちに2009年11月と2010年8月の2度、台数限定で日本に導入されている。
さらに、8代目シビック自体、プラットフォームやパワートレインなど主要メカニズムの多くを7代目よりキャリーオーバー。FD2シビックRも必然的に、DC5インテグラおよびEP3シビック「タイプR」のメカニズムを継承しながら、さらなる速さを手に入れることを宿命付けられた。
DC5インテRよりボディサイズが大幅に拡大(全長×全幅×全高=4385×1725×1385mm・ホイールベース2570mm→同4540×1770×1430mm・2700mm)し、車重が1180kgから1270kg(エアコン装着車同士の比較)へと90kgも増加したにもかかわらず、である。