この記事をまとめると
■クルマのバッテリーはバックアップ電源としても機能するので駐車中でも残量が減る
■あと付けの装備がバッテリーを多く消費する傾向にある
■暗電流による火災などもあり得るのでバッテリーが上がりやすくなったら点検が必要だ
バッテリーが上がりやすい? その原因とは
冬になると急増するクルマのバッテリー上がり。寒さが厳しくなると、バッテリーの化学反応が鈍くなるため、バッテリー容量が減少し、充電効率も低下するからだ。
それとともに、クルマは使用していないときにも、コンピュータ、セキュリティ、スマートキー、時計、カーナビ、オーディオなどの電気機器が、バックアップ電源としてバッテリーから電気をもらっているので、駐車している最中も、じつはどんどんバッテリー残量は減り続けている。
こうしたイグニッションスイッチがOFFの状態でも、流れている待機電流のことを暗電流という。いまの乗用車だと、10~30mA(0.24Ah~0.72Ah/日)が暗電流の目安とされている。とくに多くの暗電流を消費しているのは下記の機器だ。
・キーレスは10mA
・ドライブレコーダーも約10mA程度
・セキュリティは12mA前後
・古いターボタイマーで20mA
・追加メーターなども暗電流が多いものがある
コンピュータや時計などは、微々たる消費量だし、常時電源をオフにするわけにもいかないし、オーディオなども純正品なら、気になるほどの暗電流ではない。
問題があるとすれば、やはり後付けの電装品だと考えていい。
通常は、バッテリー容量の60~70%程度の放電でエンジンを始動できなくなる恐れがあるので、暗電流が正常の範囲内でも、1カ月間クルマをまったく使用しないと、バッテリー上がりを起こす可能性が出てくるので気を付けよう。
暗電流によるバッテリー上がりを防ぐためには、最低でも3週間に1度、30~60分ぐらいはクルマを走らせ、オルタネーターをまわして、バッテリーを充電するのが基本。
また、バッテリーは消耗品なので、3~4年使用したら新品に交換することも大切だ。
ほかにも電装品に不具合がある場合は、暗電流が正常値を超え、バッテリーが上がりやすくなるので要注意。
とくに後付けで電装品を追加しているクルマは、配線不良そのほかで、想定以上に暗電流が増えている可能性が否めない。
どうもバッテリーが上がりやすいと思ったら、1度整備工場にクルマをもち込み、専用のテスターで暗電流の数値をチェックしてもらうのが1番だ。
電気は目に見えないものだけに厄介だが、放置しておくと、バッテリー上がりだけでなく、最悪車両火災の原因にもなる。暗電流が増えた=漏電の可能性もあるので、「おかしいな?」と思ったら、迷わずプロに点検してもらおう。