元「中の人」が作ったアウディの名車スポーツ・クワトロ「そっくり」なEV! ELEGEND EL1は本家をぶっちぎる速さだった (2/2ページ)

監修者 増田真吾 MASUDA SHINGO

自動車ライター / 株式会社グラフィカ・ワン

国産車ディーラー、車検工場でおよそ15年自動車整備士として勤務したのち、大手中古車販売店の本部業務を経験。その後、急転直下で独立しフリーの自動車ライターに転身する。国家資格整備士と自動車検査員資格を保有し、レースから整備、車検、中古車、そしてメカニカルな分野まで幅広い知見を持つ。現在はコンテンツ制作会社「株式会社グラフィカ・ワン」代表。

増田真吾 顔写真
保有資格
2級ガソリン・ジーゼル自動車整備士
自動車検査員
国内自動車メーカー技能認定資格2級

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走行性能もオリジナル以上をEVで再現

 もちろん、EL1はスタイルだけでなく走りの装備も抜かりありません。前後にひとつずつモーターを搭載した4輪駆動で、搭載する80kWhのバッテリーは、400kmの航続距離を実現。最高出力816馬力を発揮して、100km/hまでの加速は2.8秒でクリア。また、最高速度は300km/h、0-200km/hは7.5秒とのことですから、アウトバーンでも無双状態で走れることは確かでしょう。

 カーボンモノコックの仕上がりも美しく、高精度なこと疑いようもありませんが、EL1は前後ダブルウイッシュボーン(オリジナル同様です)と電子制御ダンパーを組み合わせています。

 調節可能なアンチロールバーもカーボンで作成され、ホルツィンガー親子は「このままラリー競技に参戦できる」とまで豪語しています。たしかに、フル装備で1790kgという驚くべき車重も絶大なアドバンテージを生み出していることでしょう。

 ちなみに、リヤスカットルの上にはヘルメットを載せるスペースが用意されたほか、トランクスペースは機内持ち込みサイズのケースを2個、加えてゴルフバッグも2個搭載できるとのこと。カッコがいいだけでなく、実用性までキープしているレトロフィーチャーモデルなんて、滅多にお目にかかれないはず。

 なお、EL1の価格は89万ユーロ(約1億5000万円)とのことですが、なかなか戦略的な値付けかと。なんならオークションではロードバージョンのスポーツ・クワトロが50万~60万ユーロ(約8200万~1億円)で取引されており、またラリー仕様となれば100万ユーロ(約1億6000万円)を優に超えるものばかり。

 パフォーマンスは明らかにEL1が勝っていると考えると、ビリオネアの方々が迷うのも致し方ないところかもしれません。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

文筆業

愛車
三菱パジェロミニ/ビューエルXB12R/KTM 690SMC
趣味
DJ(DJ Bassy名義で活動中)/バイク(コースデビューしてコケまくり)
好きな有名人
マルチェロ・マストロヤンニ/ジャコ・パストリアス/岩城滉一

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