この記事をまとめると
■大学の自動車部では新規定により試合車両の乗り換えが起こっている
■2002年1月1日以降の新車販売から10年経過した車両へ注目が集まっている
■なかにはフォルクスワーゲンを試合車両として採用する大学も登場した
公平に戦うために設けられた競技車両の新規定
全国のさまざまな大学に存在する自動車部。その大会で扱われる車両はこれまで、DC2インテグラやEKシビックがほとんどを占めていた(各自動車部が用意する場合)。ところが新規定により、これまでのクルマが使えなくなるのだ。そんな背景もあってか、全国の自動車部では試合車の乗り換えが起きている。そのトレンドはどうなっているのだろうか?
新規定の内容は?
まず、新規定に関していくつかあるが、主なクルマ選びに関する部分を抜粋すると以下の通りだ。
・2002年1月1日以降に新車販売されている車種で、新車販売開始後10年経過した車種でなくてはならない。
・純ガソリン車の2輪駆動車、排気量1600cc以下の自然吸気エンジン車(ロータリーエンジンは禁止)
基本的に1990年代のクルマであるDC2やEKシビックはこの新規定だと使えなくなってしまう。というか、旧規定だと必然的に勝てるクルマが初代FF系のタイプRであったため、DC2やEKシビックを手に入れないと勝負権を失ってしまうような側面があった。また、古い初代タイプR系は維持管理のコストもかかるようになってきている。そう考えると、今回の新規定は各自動車部にとって公平に戦いやすい条件へと近づいたという見方もできる。
なお、この規定はダートトライアルでは2024年から、ジムカーナでは2026年から実施されるとされている。
スイフトスポーツを始めとしたハッチバックが人気
さてさて、そんな新規定への変更を受けて、各自動車部の動向をチェックしてみると、新規定でもっとも人気が高そうなのはZC32S型のスイフトスポーツだ。現状、スイフトスポーツ最後のNA1.6リッターモデルであるZC32S型はまさに新規定にドンピシャのマシン。中古相場がリーズナブルであるため、車両導入のイニシャルコストがかからないほか、アフターパーツや中古パーツが豊富なのも自動車部にとってはありがたい。
ほかにはDE型デミオや2代目ヴィッツなどの1.5リッターのBセグメントハッチバックを選ぶ自動車部もあるようだ。これらのクルマはすでにダートトライアルやワンメイクレースなどで使用された個体が多いため、競技に必要なロールバーやバケットシート、競技用シートベルトなどが装着されている個体も探せばある。
そのようなすでにある程度完成されたクルマが手に入るポイントがありがたいためか、これらの車種を選ぶ自動車部も多いようだ。