この記事をまとめると
■自動運転実現によるメリットは大きい
■交通事故のリスクやドライバーの負担が軽減される
■トラックやバスの自動運転の開発状況について解説
トラックやバスが自動運転化される日はそう遠くない
自動運転の実現を心待ちにしている乗用車ユーザーは意外と多いようだ。クルマは運転することで楽しみやストレスの発散、移動そのものに喜びを感じるものだが、運転が苦痛だという人も少なくない。
さらに、渋滞や長時間の運転による疲労、ストレスを感じている人は運転好きにも多い。そういうときだけ自動運転を使いたいと思う人もいるようだ。また、注意不足による交通事故などを起こす危険性も自動運転であればなくなる。そう考えている人も多いのではないだろうか。
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いったい自動運転はいつになったら実現するのだろうか。すでに中国では高速道路を自動運転で走行し、乗員は後部座席でくつろいでいるような動画を見ることもあるが、電子制御はエラーを吐くのが常識であると考えるエンジニアにとっては、恐怖を感じずにはいられない映像である。
その一方で、日本でも完全自動運転の実現は確実に近づいている。それはドライバー不足や労働環境の改善のために商用車分野から導入されていく可能性が高い。
グリーンスローモビリティと呼ばれる時速25km以下で走行するコミュニティEVバスであれば、自動運転を実現しやすいが、現時点ではボランティアのドライバーに頼っているのが現状だ。
自動配送ロボットは宅配便を届けるだけという仕事をドライバーに代わってやってくれるが、その安全性を考えると、車両の速度は低速となり運べる宅配ロッカーも限られるから、現実問題として宅配便のドライバーが楽になるとはちょっと思えない。
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隊列走行から中間輸送自体を完全自動運転化できるようになるには、それほど時間はかからないかもしれない。それでも日本は慎重だから、あと5年はかかるだろう。
それよりも現実的に考えられるのは専用レーンによるバスの自動運転化だ。廃線となった鉄道の跡地などでBRT(バス-ラピッド-トランジット=専用レーンによるバス輸送システム)を運行すれば、駅を基準とした路線バスとの連携で地方の公共機関が息を吹き返すことができる。
栃木県などが導入しているLRT(低床型の路面電車)なら自動運転化しやすいから、バスの代わりに導入する自治体も現れるかもしれない。
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すでにドライバーの負担を軽減する先進運転支援システムはトラックにも導入されはじめ、運転中のドライバーの負担は軽減され、玉突き事故など重大な交通事故が起こる可能性も軽減されていくのは間違いない。しかし、ドライバー不足を解決するのは完全無人の自動運転だけであるから、まだまだ先は長そうだ。
物流の現場では倉庫の在庫管理や入出荷は自動化が進められている。フォークリフトによるトラックへの荷役作業も自動化が実現した。
省人力化はできるところからどんどん進んで、工場や倉庫では無人化が実現しつつある。そうなると物流業界で余った人材をトラックドライバーに仕立てれられれば、人材不足も解消できるのではないか。このぶんならトラックドライバーという仕事は一番最後に無人化される職業となりそうなのだから。