マジでネガが見当たらない! ミズノの新ドライビングシューズ「ベアクラッチL」がクルマオタクに「ドンピシャ」だった (2/2ページ)

愛車の運転がより楽しくなる

 さて。待望のベアクラッチLを手にし、いざテスト。という前に商品を改めて観察してみた。

 まず重量だが、本革を使っているにもかかわらずかなり軽量だ。ランニングシューズほどではないが、自身が普段履いているシューズとなんら変わりないどころかむしろ軽く感じる。ミズノの技術には毎度驚かされるばかり。

 次に見た目だが、先述したとおり、かなりシックで上品だ。テスト品の赤に限っては、つま先側と踵側に若干焦げのような感じで燻みを持たせている表現も憎らしい。いかにも「革製品です!」といった具合だ。こういった演出、じつに高級感に溢れる。

 この日はやや暗めの色のジーンズを履いていたが、「真っ赤!」といった感じもしないので、普段着にもよく馴染む。さりげないエンボス加工されたランバードのエンブレム(ミズノのロゴ)もいいバランス。

 心臓部となるソールは、マツダとのコラボシューズやベアクラッチ同様に自慢のミズノコブを採用したものとなっている。ミズノコブとは、履き心地や歩行時のクッション性を確実に確保しながら、ドライビング時のペダルフィールも追求した、まさにベアクラッチシリーズの心臓部。3モデル共通で採用されているので、どれを買っても同じ履き心地なのだ。

 ここまでソールに全力投球なドライビングシューズは、恐らくミズノくらいだろう。スポーツ総合用品メーカーのプライドを感じる部分だ。

 ヒールは、ドライビングシューズではお馴染みの上の方までラバーで覆う仕立てとなっており、ペダル操作がしやすくなっている点が特徴だ。踵を軸にペダル操作をするのが基本なので、ここの造形が見逃せない。

 それと、筆者が所有するドライビングシューズと比較するとわかるとおり、このベアクラッチL(ベアクラッチも同様)、幅がやや広めに作られている。これは、日本人特有の幅広でありながらも足の甲が薄めという人種の特徴を取り入れているから。比較品は欧州メーカーのものなので、日本企業のミズノだからこその設計だ。

 履いてみると、すぐに本革の靴ならではの、足を包むような感覚がして、フィット感は抜群だ。革靴は履けば履くほど馴染むはずなので、これは成長に期待大。

 歩いてみると、ドライビングシューズにありがちなペタペタするような薄いソールの感触は皆無。先述のミズノコブがとてもいい働きをする。このまま散歩に行くのも楽勝。普段クルマに乗らないという人でもイケるくらい優秀なソールとなっている。

 とはいえこれはドライビングシューズ。ドライブついでに1日履いてみた。

 やはり感じたのは、軽さからくる操作性のよさと、ソールの薄さによるペダルタッチのフィーリングのよさ。普段一般的なスニーカーで乗ることがほとんどならば、「オレのクルマ、こんなレスポンスだったっけ?」と、いい意味で感じるほど。

 普段のスニーカーで運転すると、ペダル操作が3段階みたいにわけられるとすれば、ベアクラッチLを履いて操作をすると、1段階くらいでペダルを操作できる感覚だ。つまり、より細かいペダルワークができるので、運転がよりスムースになる。よって、同乗者に不快な揺れを与えることが減るし、丁寧なアクセルワークをサポートすることでわずかかもしれないが燃費向上にも結果的に働く(はず)。

 筆者のクルマはいわゆるネオクラ。ヒール&トゥなんていう中国何千年の歴史……的な技もたまには必要なのだが、これもとてもやりやすい。靴が軽いだけでなく、重量バランスも意図的なのか、考えてられていることもあり、足がスパッと動く。ソールもグリップ力が高いので、すっぽ抜ける感じもしない安定感。

 アッパー(足の甲側)の革は、足に馴染むソフトな感覚がありながらも。程よい剛性感があり、捩れ感も少ない。足をしっかり支えながら動きを確実にサポートする。それとこの赤い色も愛車のタイプRとピッタリだ。

 愛車が好きすぎるので、普段からずっと乗ってたいという感じでクルマに触れているが、より運転を楽しませてくれるシューズの仕上がりに脱帽といったところ。

「お前、褒めてばっかりいないでダメなとこも探せよ!」と、読者諸兄からツッコミもきそうなので、ネガな点も探したいのだが、すみません。正直ありません。本当に強いていうならデザインが大人しいくらいだが、これは好みの問題だし、そもそもターゲット層は筆者の倍くらい人生経験を重ねた人たち。多分この意見はお門違い。

 もし、このシューズが「5万円!」みたいなプライスだったら、恐らく忖度なしに「高すぎなのでお金もちはご検討を〜」くらいで締めるかもしれない。しかしこのベアクラッチL、「本革」「ミズノコブ」といった要素が入っていてなんと税込1万9800円(公式通販価格)。通販番組みたいな紹介になってしまうが、この価格にはちょっとビビる。担当者には「正気ですか?」といったほど。

 まぁ相手は大企業。儲かるからこの価格設定なわけだが、ちょっと安すぎやしませんかね。「安くねーよ(笑)」なんて思ってるそこの人、「本革 ドライビングシューズ」みたいなワードでぜひググってほしい。これ、ミズノの本革シューズですからね?

 ちなみにこのベアクラッチL、2025年1月10日(金)〜 1月12日(日)に千葉県の幕張メッセで開催される東京オートサロン、2025年2月7日(金)〜2月9日(日)に大阪府のインテックス大阪で開催される大阪オートメッセのミズノブースで試着、その場で購入もできるそう。気になった人はぜひ現地でミズノ社員たちによるプロのフィッティングのもと、お試しあれ。サイズは24.5〜28.0㎝(EE)までで、0.5cm刻みで用意される。

 ドライビングシューズというややニッチな世界ではあるが、間違いなくこのジャンルにカルチャーショックを起こしたであろうベアクラッチL。ドライブ好きであれば1足持っておいて損はないはずだ。


WEB CARTOP 井上悠大 INOUE YUTAI

編集者

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