ドイチュの名はさほど有名ではないかもしれませんが、フランス人エンジニアで、とくに空力やそれをもとにした性能効率に関するエキスパートです。当初はこれまたフランス人エンジニアのルネ・ボネに師事をうけ、ともにDB(Deutsch et Bonnet)ブランドを立ち上げ、何台かのスポーツプロタイプを製作、ル・マンにもエントリーして性能指数賞を獲得するなどの活躍をしました。
その後、独立したドイチュは自らのブランド、SERA-CD(Société d’Etudes et de Réalisation Automobiles – Charles Deutsch)を結成してル・マン参戦を目指すことに。これが1962年のことで、当時のル・マンはお馴染みのフェラーリやフォード、あるいはポルシェといった強豪がひしめいていたほか、地元フランスからもアルピーヌやルノー・ゴルディーニ、おまけに師匠だったボネまで参戦するという超激戦レース。