クルマの記憶はなくても「イプー」なら覚えてるアラフォー多数! オデッセイの対抗馬になりきれなかった「トヨタ イプサム」 (2/2ページ)

マスコットキャラ「イプー」が人気でクルマとしても評価点多し

 平成8年5月21日づけのトヨタのリリースには、「イプサムは、ライフスタイルの変化を念頭に、家族や友人との楽しい生活を演出するクルマとして、フレンドリー&ファミリーをテーマに開発。多様な用途に応える機能を満載する新コンセプトのファミリービークルとして誕生。5ナンバー枠のなかに、セダンの運転感覚、運動性能、ステーションワゴンのユーティリティ、ワンボックスワゴンとしてのゆとりの空間など、1台で多彩に使え、扱いやすく、楽しさ溢れる機能を備えている」とある。

 実際、7人乗り3列シートは9通りのアレンジが可能で、安全性でも新衝突安全ボディのGOAを開発、採用するとともに、ABSや運転席助手席SRSエアバッグを全車に標準装備したほか、VICSへの対応が可能なGPSボイスナビゲーション付きマルチAVステーションをオプション設定した先進性は評価に値する。

 そんな初代イプサムだが、こういっては何だが、車両本体より注目され人気だったのが、オリジナルキャラクターの「イプー」だった。

 カタログ、TVCMに登場したのはもちろん、ぬいぐるみ、絵本、ステッカー、マスコットランプ、タオルなどさまざまな「イプー」グッズが純正アクセサリーとして発売され、子どもにも大人気を博した。現在もメルカリなどで出品されているほどである。当時、子どもだった、いまでは35歳以上の大人になった人で、イプサムを覚えていなくても、「イプー」を懐かしく思い出す人は少なくないかもしれない。

 ちなみに初代イプサムはともかく、イプサムの名誉のために付け加えれば、2.4リッターエンジンを搭載し、3ナンバーボディとなった2代目は、初代とは別物のような仕上がりのリヤヒンジ式ミニバンに進化、2代目オデッセイの真の対抗馬として登場している。

 もっとも、スポーティグレードの240Sでも、筆者が所有し長年乗り続けた2代目オデッセイ・アブソルートほどのスポーツ性能はもち合わせておらず、3列目席は依然として頭上スペース不足だったのだが……。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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