クルマの記憶はなくても「イプー」なら覚えてるアラフォー多数! オデッセイの対抗馬になりきれなかった「トヨタ イプサム」 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■1996年登場の初代トヨタ・イプサムはオデッセイの対抗馬として生み出された

■イメージキャラクター「イプー」を使用したマーケティングが印象的

■ファミリー向けデザインが特徴の佳作ミニバンだったがわずか2世代で消滅した

トヨタが突貫で仕立てたオデッセイ対抗馬

「イプー」というオリジナルキャラクターでも有名だったトヨタのミニバン、イプサムを覚えているだろうか。1994年に発売されたホンダのクリエイティブムーバー第一弾の乗用ミニバン、オデッセイの空前のヒットにあやかり、トヨタが対抗馬として突貫で仕立てたのが、ラテン語の「IPSUM=本来の、という意味」から命名された、いまから30年近く前の1996年5月に登場した初代イプサムだった。

 プラットフォームはコロナ・プレミオのものを用い、ボディサイズは全長4530×全幅1695×全高1620mm、ホイールベース2735mm。リヤヒンジ式ドアの2/3/2席となる7人乗りミニバンである。

 搭載されるエンジンは2リッター直4DOHC、135馬力、185Nmだった(ディーゼルターボエンジンもラインアップ)。10・15モード燃費は2WDで11.6km/Lを発揮した。

 東京地区の価格はイプサムEセレクション2WDの税込192万円から、イプサムLセレクション4WDの259万円までと、比較的リーズナブルな設定だ。

 いかにもこの時代のファミリー向けのほのぼのとしたエクステリアデザインを採用しているのも特徴で、丸型異形ヘッドライト、後傾したリヤピラーとリヤウインドウがサイドまでまわりこむ柔らかいデザインがイプサムらしさ。しかし、扱いやすさ重視の5ナンバーサイズにしたことから、3ナンバーサイズのオデッセイに対して室内居住空間は狭め。

 あわせてエクステリア&インテリアの質感や走行性能はオデッセイに及ばず、発売当初はトヨタ版オデッセイとして、「イプー」キャラクターの後押しもあり(?)一定の人気を得たものの、国産乗用ミニバンのパイオニアたる初代オデッセイの存在を脅かすには至らず、2000年3月で生産終了。2.4リッターエンジン搭載、3ナンバーサイズとなった2代目イプサムに引き継がれることになる。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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