容量アップしたのに充電時間短縮! 0-100km/h加速は2秒も短縮! バッテリーが進化したらアウトランダーPHEVがここまで凄くなった (2/2ページ)

駆動用バッテリーの刷新で走りも変わった

 バッテリーセルの進化により内部抵抗は約30%減、冷却方式の変更により冷却性能は約50%向上したという。ご存知のように、リチウムイオンバッテリーを急速充電する際のネックは温度上昇である。内部抵抗減と冷却性能アップにより温度が上がりづらくなったことで、容量アップと充電時間短縮という相反する性能を実現することができたわけだ。

 バッテリーを刷新した効果は、それだけではない。単位時間あたり出力を約60%アップ、トータルシステム出力は約20%も増やしている。これも冷却性能を高めたことで実現した成果といえる。

 結果として、モーター駆動らしい発進加速の鋭さが感じられる速度域が広がり、中高速域での車速の伸びも増している。

 ノーマルモードでの0-100km/h加速が約2秒短縮されたという発表もあるが、そうした全開加速シーンでなくとも進化は実感できる。街なかをドライブしてみても、50km/hまでの加速がスムースかつシャープになっており、アクセルペダル操作とリニアな感触には思わず笑みがこぼれてしまうほどだ。

 ハイブリッドの制御ロジックが改良されたことで、エンジンがかかりづらくなっているのもポイント。日常的にEV的フィーリングを味わえる領域が拡大しているのだ。ハイブリッド燃費性能が従来の16.2km/Lから17.2km/Lへと向上しているのも見逃せない。

 プラグインハイブリッドに限らず、電動車においてはバッテリースペックが非常に重要であることを、アウトランダーPHEVの進化は教えてくれる。マイナーチェンジではあるが、駆動用バッテリーが一新されているのだから、電動車としてはフルモデルチェンジに近いと理解すべきだろう。


山本晋也 SHINYA YAMAMOTO

自動車コラムニスト

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