ひょっとして隠れ名車「プリンス・スカイウェイ」は思いっきり影響された? 古き良きアメ車の無双っぷりを感じる「シボレー・ベルエア・ノマドワゴン」 (1/2ページ)

この記事をまとめると

■プリンス・スカイウェイはシボレー・ベルエア・ノマドワゴンにそっくり

■1955〜57年のベルエアは1950年代のアメリカでもっとも美しいデザインといわれていた

■スカイウェイもベルエアも1950年代の古き良きクルマの時代に生まれたマスターピースだ

1950年代のアメ車にはワゴンにもテールフィンがあった

 かつて日本車が世界を席巻するはるか以前は、日本車の目標というか仮想ライバルはアメ車だったと断言していいでしょう。なんだったら「完コピ作りたかったんじゃね」ってくらいかもしれません。

 というのも、日産と合併する前のプリンスが作った高級バン「スカイウェイ」を見ていて気付いたのですが、1956年のシボレー・ベルエア・ノマドワゴンにそっくりビックリなんですよ。シボレーのフルサイズワゴンといえば、やっぱり高級車。スカイライン同様、上質なワゴンとして送り出したかったスカイウェイとしてはドンズバなスタイルだったのかもしれません。そんなベルエアをあらためてふり返ってみましょう。

 1950年代のアメリカで、もっともスタイリッシュなデザインと好評を得ていたのはフォードでもプリマスでもなく、ずばりシボレーだったとされています。たとえば、1956年のベルエアはそれまでの「フェラーリにインスパイアされた」というフロントエンドを、よりワイドで彫りの深いグリルにフェイスリフトされています。

 1957年モデルになると、リヤエンドのランプ類をスマートにインテグレーションしており、キャデラックで用いられたアイディアがここでも輝いているというわけです。

 ベルエア・ノマドワゴンは、1953年にGMのスタイリングオフィスがデザイナーのハーリー・アールに描かせた2ドアワゴンのレンダリングが発端となり、1955年にコルベットをベースとしたショーカーが発表されています。

 とはいえ、1955~57年の生産モデルはリヤのホイールアーチ、Cピラーの形状が違うくらいで、ほとんどアールのデザインを実現。「時代を象徴するアイコニックなモデル」と称されるのも大いに納得です。


石橋 寛 ISHIBASHI HIROSHI

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