やっぱりロードスターは初代だよなぁ……は思い込みじゃない! 初代こそが最高なこれだけの理由 (2/2ページ)

ドライビングフィールも優秀!

●ハンドリング

 国産スポーツカーの歴史を振り返っても、NAロードスター、とくにその前期モデルほどの「ニュートラルステア」をもっているクルマはほかにはない。

 市販車であればスポーツカーでも弱アンダーステアにセッティングしてデリバリーされるのが普通だが、NAの初期型はほかのスポーツカーを基準にすると、「オーバーステアなのでは」と思うほど、攻め込んだセッティングになっていた。

 重量バランス、ロールセンターの角度、ジオメトリ、アライメントのすべてが、その方向に仕上げてあったからだ。

 オープンカーなのに、ボディ剛性がしっかりしていたのもロードスターの特筆できるところで、高剛性のサブフレームが前後に与えられていたし、パワープラントフレームも用意された。しかも四輪ダブルウイッシュボーンサスで、かなり締まった(高硬度)ブッシュが入っていたので、ダイレクト感は抜群。

 よく曲がるくせに、直進安定性も優れていて、ロングドライブでも疲れない。

 これはなかなか真似できないものだ。

●シフトフィールがよかった

 NAロードスター、とくに初期型のMTは、ショートストロークでなおかつカチッとした剛性感があって、とってもシフトフィールがよかった。

 シフトレバーの縦方向のストロークは45mm、横方向は25mmと国産車最小レベルで設計され、操作力が軽いのに、節度ある手ごたえになっている。

 そのほか、ドアハンドルがスペシャルだったり、NAならではの魅力はたくさんあるけれど、NAロードスターは基本がしっかりしているので、年数が経っても魅力が陰らない。

 ロードスターの開発主査だった貴島孝雄さんは、「クルマが劣化したらニュートラルに戻る」とコメントしているが、NAロードスターはデビューから30年経っても楽しいし、スポーツカーであり続けていることで、ホンモノだったことを証明し続けているといっていいだろう。


藤田竜太 FUJITA RYUTA

モータリングライター

愛車
日産スカイラインGT-R(R32)/ユーノス・ロードスター(NA6)
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