日本と見間違うほど街には「日本車っぽい」クルマだらけ! ほかのアジア諸国とはひと味違うマレーシアの自動車事情 (2/2ページ)

マレーシアでは日本車も高級車として認知される

 また、国民車を中心にクアラルンプールではセダンを数多く見かけるというのも印象的であった。1985年に初代が国民車第一号として発売となり、現在は3代目となっているプロトン・サガは、ジーリー車由来ではなく、ジーリー傘下前のプロトン車として生き残り、いまも販売中核車種となっている。

 プロドゥアにはベッツァというコンパクトセダンがある。コンパクトハッチバックの「アジア」のセダン版ともいえるのだが、メカニカルコンポーネントをダイハツのものとしているが、内外装はかなりオリジナル色の強いものとなっている。

 日本車ではトヨタ車が圧倒的に多く、東南アジアではお馴染みの風景となっている、アルファード&ヴェルファイアはクアラルンプールでも日本並みかそれ以上に見かけることができた。

 また、タイなどでも人気が高いカローラ・クロスも通りを頻繁に走っていた。ホンダではHR-V(日本でのヴェゼル)や新興国向けコンパクトセダンとなる「シティ」あたりを多く見かけた。

 さらに特徴的なのはマツダ車の人気が高いこと。セダンの元気がまだあるというクアラルンプールだが、それでもSUVのラインアップが多く人気も高まりを見せている。そのなか、とくに3列シートをもつCX-8は注目されているようで、街なかでもよく見かけた。また、意外とでもいいたくなるほど、ロードスターも多く走っていた。

 中国系中心となるが、BEV(バッテリー電気自動車)はまだまだ少数派となっているものの、そのなかではBYDオート(比亜迪汽車)のATTO3を多く見かけることができた。

 コンパクトで廉価な国民車ブランドという存在があるため、日系ブランドもそことガチンコで競り合うモデルはラインアップしていない。となると、車両価格も高めで国民車ブランドより上級車をメインに販売することになるので、結果的に街には国民車ブランドが溢れることになっているものと考えている。それでも中産階級以上と思われる所得に余裕のある人にとっては日本車が注目の的になっているということもよくわかった。


小林敦志 ATSUSHI KOBAYASHI

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愛車
2019年式トヨタ・カローラ セダン S
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乗りバス(路線バスに乗って小旅行すること)
好きな有名人
渡 哲也(団長)、石原裕次郎(課長) ※故人となりますがいまも大ファンです(西部警察の聖地巡りもひとりで楽しんでおります)

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