「長距離移動最強=GT性能最高」なクルマはどれ? 速くて快適でラグジュアリーな世界最高といっても過言じゃない5台を選出 (2/2ページ)

ドイツ車以外にもGTとしての素養に優れたクルマは多い

マクラーレン GT

 3台目は、限りなくスーパースポーツカーに近いグランドツアラーという点で、右に出るものはいないと思われるマクラーレンGT。2シーターのモデルですが、なんとリヤにはゴルフバッグ2個が積載できるスペースを確保。最初から「長距離ドライブでの快適性と利便性を意識して開発しました」とマクラーレンもいい切っているのです。

 とはいえ、ドアは跳ね上げるように上に開き、乗り降りでの注目度は健在。ホールド性の高いヘッドレスト一体型のシートを備え、長時間の着座でも疲れにくく快適性を保つよう設計されています。

 3.9リッターのV8ツインターボは爆音とともに目覚めるのですが、走り出すと速さも乗り心地も両立しているところに感心します。フロントにも150リットルの荷物スペースが用意されており、ロングドライブの旅行にも最適な1台となっています。

ロールス・ロイス ブラックバッジ・ゴースト

 4台目は、ドライバーズカーとしても楽しみたい富裕層に向け、最高峰の快適性を損なうことなくスポーティな運動性能も兼ね備えることを使命とする、ロールス・ロイス ブラックバッジ・ゴースト。もともとゴーストはドライバーズサルーンとして誕生したモデルで、そこにロールス・ロイスの各モデルにラインアップしている、より運動性能を高めた走りとダークな意匠を特徴とするのがブラックバッジです。

 フロントマスクの伝統的なパルテノングリルやRRエンブレム、マスコットのスピリット・オブ・エクスタシーなどがすべてブラック仕上げとなっており、どことなくワルな雰囲気を感じさせるのも魅力。

 6.75リッターV12ツインターボエンジンは600馬力/900Nmにまで引き上げられ、ステアリングに備わるシフトセレクターの「LOW」ボタンを押すと、エキゾーストサウンドが押し寄せてくるところもたまらない演出となっています。

日産GT-R

 5台目は、日本が世界に誇るスーパーカー、日産GT-R。ハイパワーやモータースポーツのイメージが強いかもしれませんが、確かにデビューした当初からしばらくは、あまりロングドライブを快適に楽しむようなセッティングにはなっていなかったと思います。

 それが2017〜2018年モデルあたりから、剛性だけでなくしなやかさが感じられるようになり、室内の静粛性もアップ。高速道路をクルージングするようなシーンでも、疲労感が減ってきたように感じました。

 そして、R35型として最後のGT-Rとなる2025年モデルで、実際に往復700km超のロングドライブをしたときにはっきりと感じたのは、サーキットの王者としてだけでなく、グランドツアラーとしても最高のレベルを手にしたのだなということ。

 直線ではまったくブレずに猛進し、コーナリングではベタッと這うような安定感。途中、全開でサーキットを攻めて走りながら、涼しい顔で再び高速道路を快適にクルージングできるところも、国産車で唯一無二といえるGT-Rの魅力でしょう。おそらくR36型は登場しないのではないか……とも聞こえてきますが、消えてしまうにはあまりに惜しい、素晴らしいモデルです。

 ということで、ドライバーの気分次第で速さもパワーも自在に操りながら、悠々と快適にロングドライブを楽しむこともできる、最強のGT、グランドツアラーたちをピックアップしました。


まるも亜希子 MARUMO AKIKO

カーライフ・ジャーナリスト/2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
MINIクロスオーバー/スズキ・ジムニー
趣味
サプライズ、読書、ホームパーティ、神社仏閣めぐり
好きな有名人
松田聖子、原田マハ、チョコレートプラネット

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