この記事をまとめると
■クルマのヘッドライトにはハイビームとロービームがある
■2024年8月より車検時のロービーム検査を完全実施する予定となっていた
■一部地域では2026年8月までに順次移行すると実質的な延期が発表された
ロービームが検査の対象に
夜間走行の際に、なくてはならないのがヘッドライト。2灯あるいは4灯が、左右対称に一対で装備されている。周知のとおり、ヘッドライトにはロービーム(すれ違い用前照灯)とハイビーム(走行用前照灯)が存在する。大半のドライバーは、通常はロービームで走ることが多い。ハイビームは街灯がなく、クルマがほとんど通らないような場所で使用するのが一般的だ。
ところが、道路交通法・保安基準の解釈は少し違う。法律ではロービームをすれ違い用前照灯と表現するように、本来は対向車が来たときに使用するライトなのである。これに対して、ハイビームは走行用前照灯とされているので、通常はこちらがメインのヘッドライトということになる。
とはいえ、街なかでは対向車が多いから、ハイビームで走ればパッシングの洗礼を受けることは間違いない。ロービームを通常走行用のライトだと思うドライバーが多いのも、至極当然のことだといえよう。
こういった法律の規定もあり、以前は車検でも光量、光軸、色などの測定を、ハイビームで行うと決められていたのだ。しかし、2015年にその基準が変更され、1998年9月以降に作られた車両(ロービームを基準にヘッドライトが設計されている車両)は、原則的にロービームが検査の対象となり、2018年から実行に移されたのである。