酷暑でもエアコンガンガンは燃費が悪化するからできない! 過酷な現実に晒されるトラックドライバーは扇風機が必須アイテムだった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■夏に車内で扇風機を使うトラックドライバーが多い

■広い車内を冷やすのに適していて節電にもなる

■シガーライターソケットを使用するものが多い

広い車内を冷やすのに適している

 ここ数年、地球温暖化の影響を受けて「猛暑」「酷暑」の夏が当たり前になってきた。場所によっては外気温が40℃を超えるようなところもあり、じっとしていても汗が滝のように流れ落ちてくる。炎天下における不要不急の外出を控えるのはもちろんのこと、夜間の室内であっても、エアコンを適切に使用しなければ、熱中症で倒れかねない状況なのだ。

 クルマのなかはさらに過酷である。JAFの実験によると、外気温35℃の炎天下に放置されていたクルマは、1時間ほどで車内温度が50℃近くになり、ダッシュボードに至っては70℃を超える。このような状態だと、走行中にはクーラーをガンガンにつけなければ命にかかわりかねない。

 これはトラックでも同様なのであるが、そう簡単にはいかない事情がある。それは、「燃費」にかかわる問題だ。クルマのエアコンはエンジンから動力を得ているため、稼働させるとエンジンに負荷がかかって燃費が悪化する。車両の種類や使用条件にもよるが、その低下率は約12%程度にも及ぶという。トラック事業者にとって、これは見過ごせない数値なのだ。

 そこで、冷房効率を上げるためにクルマ用(トラック用)扇風機が重宝されるようになったのである。トラックのキャビン内は意外に広いので、冷たい風を隅々にまで届かせるには扇風機が最適なのだ。また、冷風をドライバーに送ることで体感温度も下げることができる。ドライバーが涼しく感じたら、一時的にクーラーを切ることで燃費改善にもつながる。

 よく、家庭用クーラーでは短い時間ならいちいち停止するより、つけっぱなしの方が節電になるといわれるが、システムが違うクルマ用のクーラーは切れば確実に燃費が向上するのである。


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