なんかこの道薄っ暗いなぁ……はケチってるワケじゃなかった! 街路灯の明るさは明確な決め方がある (2/2ページ)

街路灯の設置にはさまざまな要因がからむ

<街路灯が設置されていないのにはわけがある>

 とはいえ、ときに街路灯が設置されていない道路も存在する。その理由は、単なるコスト抑制の問題だけではなく、次のような要因で決められている。

 まず、高速道路や交通量が少ない郊外の道路では、街路灯の設置が省略されることがある。これはコスト削減やエネルギー効率の観点から判断されたものだ。とくに、高速道路ではクルマのヘッドライトが主な照明手段として機能するため、街路灯の必要性が低いと判断される場合が多い。

 街路灯が周囲の自然環境に影響を及ぼすケースもある。たとえば、自然保護区や野生動物の生息地では、人工光が生態系に悪影響を与える可能性があるため、街路灯の設置が制限されることがある。

 コストの問題も場所によっては設置するか否かの判断に大きく影響する。都市部と違い、山間部や離島などインフラ整備が困難な地域では、街路灯の設置コストが非常に高くなる。そのため、これらの地域では街路灯が設置されない場合がある。

 また、トンネル内の照明は、火災リスクやメンテナンスの観点から特別な配慮が必要だ。とくにトンネル内の配線には耐火性が求められるが、これがコスト増につながるため、距離の短いトンネルでは最低限の照明に留められることもあるのだ。

<街路灯の維持管理の重要性とは?>

 街路灯は設置されるだけでなく、その後の維持管理も非常に重要だ。常に定期的な点検と補修が欠かせない。というのも街路灯は常日頃から台風や地震などの自然災害の影響で損傷する可能性があるからだ。損傷が確認された場合、速やかに清掃や補修を行うことで、街路灯の機能を維持しなければならない。

 また、効率的な維持管理を行うために、街路灯の設置場所や管理番号、補修内容などを台帳に記録することが求められる。

 加えて、街路灯には自動点滅器や調光装置が組み込まれている場合がある。これらの装置は、自然光の明るさや時刻に応じて街路灯を点灯・消灯する機能を持つため、エネルギー効率の向上に寄与するものだが、これらの維持管理も当然同様に行わなければならない。

 街路灯の明るさのバラつきや設置基準には、さまざまな要因が絡んでいる。安全性やコスト、環境への配慮など、多面的な視点から設置が計画されていることを知ると、街なかの街路灯を見る目が変わるかもしれない。次回、街なかをドライブする際には、街路灯の配置や明るさに注目してみてはいかがだろうか。


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