この記事をまとめると
■ジープブランド初の100%電気自動車「アベンジャー」が登場
■FFレイアウトのコンパクトSUVながら悪路走破性に優れた設計
■市街地走行メインでも約400kmの航続距離を見込める
ジープブランド初の電気自動車
アメリカを代表するSUVブランドのジープが、ブランド初のBEV(電気自動車)として「アべンジャー」を登場させた。2022年には旗艦モデルであるラングラーにPHEV(プラグインハイブリッド)仕様を設定していたが、今回、同社がコンパクトクラスと定義しているアベンジャーは全長が4.1mで、これまでジープファミリー最小だった「レネゲード」より小さい。
実車の外見的印象としては、ジープの伝統的な顔であるセブンスロットグリルを継承していて、コンパクトクラスとは思えない存在感を醸し出している。短い全長でありながらホイールベースは2560mmもあり、車体寸法に対して大きな数値を示している。一方で、前後オーバーハングを小さくすることでアプローチアングル20度、ランプブレークオーバーアングル20度、デパーチャーアングル32度と、オフロードの走破に十分な数値を確保している。
さらに、最低地上高は200mm以上あり、フロア下に設置される54kWhの駆動用リチウムイオンバッテリーや電動モーターなど、パワートレインを頑丈なプレートで保護しており、BEVであっても悪路を安心して走破できる特徴を備えている。
室内に乗り込むと、ダッシュボードは上質に作り込まれ、液晶メーターパネルや物理スイッチが機能的に配置されており、操作性のよさが見てとれる。スクエアな車体デザインは見切りもよく、狭い山道や市街地でも運転しやすそうだ。
システム起動はブレーキを踏みながらスタートボタンを押すだけで完了。プッシュボタン式のシフトセレクターで「D」を選択すれば走行スタンバイ状態になる。
駆動モーターは前輪にのみ配置され、前輪を駆動するFFレイアウトだ。4WDの設定は残念ながらない。駆動モーターの最高出力は115kW、最大トルクは270Nmで、コンパクトクラス車としては強力な出力スペックが与えられている。ゼロ回転から最大トルクを引き出せる電動モーターは急な坂道発進も余裕で、SUVには向いているといえるだろう。