【試乗】オーテックが本気出すとセレナはこうなる! 加速もハンドリングも静粛性も向上した「AUTECH SPORTS SPEC」に惚れた (1/2ページ)

この記事をまとめると

■オーテックがセレナをスポーツテイストに味付けしたモデルを追加

■走行モードや足まわりを変更しキレのいい走りを実現している

■遮音性の高いガラスを採用するなど車内空間も上質に仕立てた

オーテックがセレナを味変

 日産は主力ミニバンのセレナに走りの質を向上させたAUTECH SPORTS SPECを追加した。AUTECHといえば本社を構える湘南の海をモチーフにしているため、深みのある青いカラーを基調としたブランド展開が特徴だ。

 エクステリアデザインでは海をメインに表現したデザインが採用されている。たとえば、グリルに装飾されたクロームドットデザインは海面のきらめきを表現し、フロントリップスポイラーのメタル調フィニッシュパーツは波打ち際の白波をイメージしている。また、ホイールには水中に差し込む光の輝きが表現され、クルマ全体を青とクロームの組み合わせによって海のエレガントさを象徴しているのが特徴だ。

 インテリアには上質な素材を取り入れ、レザーやステッチ、シートの立体的デザインは海や空をイメージさせ躍動感あるデザインに仕立てている。こういったAUTECHならではの、特別なデザインは、多種多様な特装車を長年製造し摘み重ね上げてきたクラフトマンシップを注入しているからこそ成し得ている。

 では、今回追加されたセレナAUTECH SPORTS SPECの走りの特徴を紹介しよう。

 まずは加速の味付けに大きくかかわるドライブモードを最適化したことに注目したい。ベースグレードと同様に、ドライブモードはエコ/ノーマル/スポーツと3種類あり、エコモードのセッティングに関して変更はない。

 ノーマルモードでは、アクセルを踏み込む量(とくに初期~中間まで)に対するエンジンパワー出力がベースグレードよりも高められ、ベースグレードのスポーツモードに限りなく近いのが今回のノーマルモードだ。実際に走らせてみると、このノーマルモードがとても扱いやすい。

 体感では10〜40%ほどのアクセル操作に対してトルクが強く出るよう調整されており、街なかやバイパスなどでの日常使いでの少ないペダル操作でも十分に力強いスポーティな加速が可能になっている。エンジンレスポンスとトルクの立ち上がりの見事な調和は、上質で大人スポーティなバランスがとてもよかった。

 スポーツモードは、ノーマルモードよりもレスポンスもパワー特性も両方高められており、私の想像するミニバンの枠を超えるアクセルレスポンスをもち合わせている。ノーマルモード同様に初期から中間までの特性がとくに変わっているのだが、ミリ単位のアクセル操作でエンジンパワーをコントロールできる仕様になっていて、いままでのミニバンにはないリニアさが与えられていた。

 正直、ミニバンにここまでのスポーティな味付けがどれだけの人にハマるのかは未知数だが、視野を広げればこれくらい面白い味付けに振ったドライブモードがあるほうが、ひとりでドライブするときの気分転換になっていいのかもしれない。私の印象としては、ノーマルモードこそ長距離でもワインディングでも街なかでも万能に乗りこなせるAUTECH SPORTS SPECに相応しい優秀な味付けだと感じた。


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