この記事をまとめると
■主にタクシーが使うイメージのある「LPG燃料」は3つのタイプにわけられる
■1リッターあたりの燃料価格がガソリンの6割程度と経済性に優れる
■最大のネックとなるのが燃料を補給するLPGスタンドの少なさだ
LPGが普及しないワケ
我々がクルマで一般に接する内燃機関といえば、ガソリンエンジンかディーゼルエンジンということになるが、じつは、ガソリン/軽油以外の燃料を使う内燃機関も身近に存在している。もう、お気付きの方もいるかと思うが、多くのタクシーで使われているLPG燃料だ。
LPG、すなわちLiquefied petroleum gas=液化石油ガスのことで、圧縮することで常温下でも容易に液状となるガス燃料のことである。じつは、これがLPGの大きな特徴(利点)で、ガス(気体)を圧縮して液化するとその体積は250分の1となるため、エネルギー密度が非常に高く、小型ボンベひとつから大きなエネルギーを取り出すことができる。
この特徴は、使用にあたってインフラの整備が必要な都市ガス(気体)に代わり、ボンベひとつで家庭用燃料や業務用燃料の役割を果たすことができたり、あるいはボンベ(タンク)容量を大きく設定できない自動車用の燃料として、非常に都合のよい条件を備えていることになる。
LPGガス自体の組成は、炭素3個と水素8個(分子式C3H8)によるプロパンと炭素4個と水素8個(分子式C4H8)によるブタンにわけることができ、自動車用燃料のLPGは後者のブタン系ガスとなる。