元プロミュージシャンの自動車ジャーナリストが絶賛! 新型アウトランダーの「ヤマハオーディオ」が驚きの臨場感だった (1/2ページ)

この記事をまとめると

■三菱の新型アウトランダーPHEVにはヤマハのオーディオが用意される

■2種類の構成が存在しアウトランダーPHEVのために専用設計されている

■ヤマハのクルマ用オーディオは日本車としては初採用となる

日本車初採用のヤマハスピーカーをテスト

 現代の音楽好きの多くは、音楽をスマホにイヤホンを接続、または車内でのオーディオで聴くことがほとんどではないだろうか。自宅にホームオーディオを構築したオーディオルームをもつことなど、最近では極めて困難だからである。

 そこで、元プロミュージシャン、いまでも生活に音楽が欠かせず、しかもできるだけいい音、つまり制作者の意図した原音に近い音で音楽を楽しみたいと考える筆者は、クルマの純正プレミアムサウンドシステムをマイリスニング空間にしている。ひとりで運転していれば、誰にジャマされることなく、いや、誰にも迷惑をかけず、好きな音楽をコンサート会場にいるような音場・音像で、イヤホンとは違った空気感あるリスニング空間で聴くことができるのである。

 さて、10月31日にマイナーチェンジを行った三菱のいまやフラッグシップモデルとなるアウトランダーにも、まったく新しいプレミアムオーディオが用意されることになった。

 マイナーチェンジ前にはアメリカのBOSEを採用していたのだが、今回はなんと日本を代表する楽器メーカーでもあるヤマハ製プレミアムオーディオを、最上級の新グレードとなるPエクスクルーシブパッケージとPに標準装備。Pエクスクルーシブパッケージには最上級のダイナミックサウンドヤマハアルティメットが、Pにはダイナミックサウンドヤマハプレミアムが搭載され、前者はP、Gグレードでもオプション装着することが可能になっている。

 それぞれのシステムは以下のとおりだ。

 ダイナミックサウンドヤマハアルティメイトはインパネまわりにセンタースピーカー1基、左右にミッドレンジスピーカー2基、左右Aピラーにフロントツイーター2基、フロントドアのフロントウーハー2基、フロア左右にパワーアンプ2基、リヤドアにリヤツイーター2基、ラゲッジルーム左側にサブウーハー1基を配置する12スピーカー+デュアルアンプで構成。音楽スタジオなどでも使われるヤマハスピーカーのフラッグシップモデルであるNS-5000の設計思想を継承したサウンドシステムであると謳われ、最高峰の車内リスニングルームを目指したものだ。

 ダイナミックサウンドヤマハプレミアムはAピラーのフロントツイーター2基、フロントドアのフロントウーハー2基、リヤドアにリヤコアキシャル2ウェイスピーカー(ツイーターとウーハー)の8スピーカーで構成。もちろん、両システムともにスピーカーがマウントされるドア内部のデッドニング、補強も重量増に配慮しながら行われている。

 試聴音源は、日本を代表する女性シンガーソングライターのコンサート会場で以前、サウンドチェック用の音源として使われていたトラック、リッキー・ピーターソンの「SMILE BLUE」というCDアルバムの1曲、筆者のカーオーディオ試聴用トラックとしても長年使っている「WHAT YOU WON’T DO FOR LOVE」。強いアタック、繊細な楽器の鳴り方、左右配置、めくるめくステレオ感などが詰め込まれた曲で、下手な純正カーオーディオではすべての音源を再生しきれないかもしれない、チェック用としては最適と思える1曲なのである。ちなみにリッキー・ピーターソンのその曲を知らなくても、原曲となる1978年に発売された日本でも大ヒットしたボビー・コールドウェルの「風のシルエット」なら覚えているはずだ。

 試聴はまず、マイナーチェンジ前のBOSEサウンドシステムから行った。西海岸フュージョンミュージックだから、BOSEとの相性は絶対に悪くない。カーオーディオにおいても臨場感ある音質、深みある響きの低音が中高域に隠されることなく聴かせてくれるところも特徴だ。大音量でも小音量でも低中高域のバランスに優れているのもBOSEらしさ。

「WHAT YOU WON’T DO FOR LOVE」は他車のBOSEサウンドシステムでも試聴しているが、西海岸サウンドにはバッチリ似合うことを改めて確認した。


青山尚暉 AOYAMA NAOKI

2024-2025日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員

愛車
フォルクスワーゲン・ゴルフヴァリアント
趣味
スニーカー、バッグ、帽子の蒐集、車内の計測
好きな有名人
Yuming

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