この記事をまとめると
■車線変更による接触・事故は過失割合で揉めやすい事故のひとつといわれている
■車線変更した前方車両と直進していた後方車両の過失割合は「7:3」が基本だ
■相手側のクルマも動いている限り過失割合が10:0にはならないことが多い
路駐を避けたら事故に……
車線変更による接触・事故は、過失割合で揉めやすい事故のひとつといわれている。
過去の判例などをみると、車線変更をした前方の車両に、直進する後方車が接触してしまった事故では、「車線変更をした前方のクルマ:直進している後方のクルマ=7:3」が過失割合の基本となっている。
自分の車線を直進していた後方車にも、過失が30%も付くのは納得いかない、と揉めるケースがあるのだが、後方車も十分に前方に注意していれば事故を防げたと判断され、(軽度の)前方不注視があったとされる後方車にも30%の過失が付いてしまうらしい。
しかし、これはあくまで基本なので、車線を変更した前方車に、ほかの落ち度があれば過失割合は変わってくる。
たとえば、前方車がウインカーを出さずに車線変更をしてきた場合。
これだと車線変更車の過失が9、直進車の過失が1になる。また、車線変更が禁止されている場所でも、同じく車線変更車が9、直進車が1に。
ほかにも交差点内で車線変更した場合は、車線変更車が8、直進車が2になって、直進車に初心者マークがある場合も、車線変更車が8、直進車が2になるのが基準。
反対に直進車側の過失が増えるケースもある。
直進車がゼブラゾーン(導流帯)を走行してきた場合は、車線変更車が6、直進車が4。直進車が時速15km以上の速度違反だったら、車線変更車が6、直進車が4。
直進車が時速30km以上の速度違反だったら、車線変更車が5、直進車が5になってしまうのだ。
いずれにせよ、車線変更による交通事故は、相手側のクルマも動いている限り、なかなか10:0にはならないので、車間距離に余裕を持ち、目線を遠く、視界を広く保って、周囲のクルマに気を配り、危険を予知しながら運転することを心掛けるようにしよう。