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スバルファンが待ち望んだ「ストロングハイブリッド」用トランスアクスルの工場に潜入! 超高品質を実現するための「カンコツ作業」を減らした最新鋭の中身 (1/2ページ)

スバルファンが待ち望んだ「ストロングハイブリッド」用トランスアクスルの工場に潜入! 超高品質を実現するための「カンコツ作業」を減らした最新鋭の中身

この記事をまとめると

■スバルがクロストレックS:HEV用のトランスミッション工場を稼働

■埼玉県北本市にあった富士重工業の汎用エンジン「ロビン」ブランドの生産工場を再建した

■働きやすい環境になるよう人に配慮されており年間18万基以上製造できるキャパをもつ

スバルがトランスアクスル専用工場を稼働

 スバルが、クロストレックにe-BOXERストロングハイブリッドを新設定したのは、ご存じのとおり。その走りっぷりやボクサーエンジン(水平対向エンジン)に合わせた専用設計などについては既報のとおりだが、スバルがストロングハイブリッドに本気なのは生産の面からも明らかだ。

 今回、スバルがストロングハイブリッド用トランスアクスルを製造する群馬製作所・北本工場(埼玉県)を訪れ、その生産風景を取材することができたので報告しよう。

 さて、トランスアクスルというのは変速装置(トランスミッション)とデファレンシャルギヤが一体となった部品を指す用語で、FWD車においてはトランスミッションとトランスアクスルは同義語となっている。シンメトリカルAWDがアイデンティティのひとつであるスバル車も、その基本はFWDであるため、エンジン車であってもトランスアクスルを搭載し続けているという見方もできる。

 スバル車の特徴は、ボクサーエンジンを縦置きにしていることだ。トランスアクスルはエンジンからの出力を変速して、トランスアクスル前方下に置かれたデファレンシャルから左右の前輪に駆動力を伝えている。さらに、トランスアクスル後端につながったプロペラシャフトを通じて、リヤのデファレンシャルに駆動力を伝えることで、AWDを成立させているというのが基本的な構成であり、これは他社のFWDモデルではほとんど採用例のない設計となっている。

 つまり、スバル車のトランスアクスルはほかには類のない構造であり、ボクサーエンジンに合わせたトランスアクスルも自社で生産する必要性が出てくる。そのためエンジン車のトランスアクスル(トランスミッション)は群馬製作所・大泉工場(群馬県)において生産される……というのが、これまでの“常識”だった。

 しかし、ストロングハイブリッドのトランスアクスルを生産しているのは大泉工場ではなく、北本工場なのだという。同工場のルーツは、富士重工業の汎用エンジン「ロビン」ブランドの生産工場であり、汎用エンジン事業から撤退したあとは、物流センター的に活用されていたという場所だ。

 筆者個人としては、ストロングハイブリッドのトランスアクスルは少量生産のため大泉工場の量産ラインとは別にこじんまりした生産設備を北本工場にしたのではと想像していたが、実際に訪れた北本工場はまったく違う様相を呈していた。

 2階建ての建屋内部には、真新しい機械が並べられ、ケースの加工から、モーターを含めたトランスアクスルの組み立て、そして検査までを一貫して行う最新のトランスアクスル工場に仕上がっていたのだ。

 聞けば、ロビン・ブランドの汎用エンジンを生産していた時代とは、人も機械も入れ替っているという。実質的に、ストロングハイブリッドのトランスアクスルを生産するために新工場を立ち上げたというほど力が入っているのが北本工場なのである。

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