この記事をまとめると
■マレーシアにおいてCKDとは広く現地生産車を意味しCBUは海外生産の輸入車を意味する
■マレーシアではその車両がCKDなのかCBUなのかが表記される
■日本でも今後は「CKDなのかCBUなのか」が注目されることになるかもしれない
マレーシアでは国内生産車を意味する「CKD」
2024年12月5日から11日の会期で開催された、マレーシア国際モビリティショー(KLIMS)の開幕に先がけ、12月4日のプレス向けプレビュー時のプレスカンファレンスにて、韓国の起亜自動車は、トヨタRAV4やホンダCR-Vなどと同クラスになるクロスオーバーSUV「スポーテージ(SPORTAGE)」の5代目を発表した。
ただ、そのときの車種紹介では、「KIA SPORTAGE CKD」とされていた。末尾の「CKD」は何を意味するのかといえば、「コンプリート・ノック・ダウン(COMPLETE KNOCK DOWN)」を意味し、部品を相手国に輸出し、その相手国にて完成車生産をすることであり、これに対しCBU(COMPLETE BUILD UP)というものがあり、こちらは完成車として生産国から輸入することを意味している。
MAA(マレーシア自動車協会)の資料によると、2024年第1四半期(2024年1~3月)における自動車販売台数は39万296台であり、そのなかでマレーシア国内生産が24万1937台となり、マレーシア国内生産モデル(CKD含む)の販売比率は62%となっている。筆者の肌感覚では、マレーシアにおいてCKDとは広く現地生産車を意味するときに使われている印象を受けた。
たとえば、スバルは2016年よりマレーシアにおける提携企業の工場にて、フォレスターのCKDを行っていたが、報道によると、マレーシアを含む東南アジアでの現地組み立て事業を2025年に終了すると発表。それ以降は日本生産モデル、つまりCBU車の販売に切り替えられるとしている。
日本でも、戦後自動車産業再興期には、例えば日産はオースチン(イギリス)、日野はルノー(フランス)、いすゞはヒルマン(イギリス)のモデルを日本国内で組み立てて販売していた時代があった。当時、日本メーカーより優れていた海外の自動車メーカー車を生産することで、日本の自動車メーカーの競争力を高めようとすることが背景にあった。
マレーシアのみならず、インドネシアでも新車販売統計などを見ると、それぞれの車種がCKDなのかCBUなのかといった表記がされている。