市販化を見据えて3つのプランを用意
例えば2列目の座席部には、車外に引き出せ「ポータブルバッテリー from LEAF」などを複数収納できるスライド棚を設けたほか、車両部品のパーティションパイプを利用した折りたたみテーブルを設置。移動オフィスとして活用することができる。
荷室には重い荷物を動かしやすいよう床面に低抵抗素材を採用したほか、助手席側に棚を設置。その天板は展開して幅を広げられるよう二枚板になっており、その上にマットレスを敷けば、就寝用のベッドとして使用できる。なお、純正の「ルーフインナーバー」を使ってカーテンを室内中央にかければ、就寝中のプライバシーを高めることも可能だ。
外装に目を移すと、ルーフには純正の「ヘビーデューティーラック」を装着しているが、その上に角度調整可能なソーラーパネルおよびStarlink通信アンテナの固定具を追加し、ソーラーパネルとStarlink通信アンテナも設置。
さらに、助手席側リヤスライドドアのガラスに情報発信用のサイネージモニターを装着したほか、着替え用の折り畳み個室も設けており、平時から災害時まで幅広い用途に対応できる優れものだ。
具体的な想定シーンとしては、都心にある全国規模の会社が、地方の拠点で被災した際、本社スタッフが必要な機材を積み込んで訪問。本社スタッフは車内で衣食住しながら、現地での復旧作業に従事し、現地で電源や通信が得られない状況でも本社との通信手段を確保する……というものを描いているそうだが、この「ディザスターサポートスペック」なら、十分に実現できるように感じられた。
さて、この「ディザスターサポートスペック」、果たしていつどのように市販化されるのかが気になるところだが、それを越川さんに率直に聞くと、「松竹梅の3プランを考えている」とのこと。
最初の「梅」の段階ではまず「災害とその備えに必要となるパーツを商品化」し、「竹」の段階では「もう少しある程度できることが増える」架装内容に。そして「松」の段階では、今回の「ディザスターサポートスペック」と同等の車両を市販化することを目指しているそうだ。
これらのステップが着実に進んでいくことを楽しみに待ちたい。