先代T32型は中古車カスタマイズの第3弾
エクステリアには、国内外の日産純正パーツや、JAOSのフェンダーガーニッシュ・ホイール・リフトアップサスペンション、トーヨーのオープンカントリーA/T3を装着しつつ、各所に「流行のマットブラックではなくやや色味をもたせた」(大野さん)専用の凹凸塗装を施工。
また、T33はエスプレッソをイメージしたダークゴールド、T32は「周囲の自然と調和」(大野さん)するダークグリーン、「いずれも色相は同じで、ダークゴールドの明度を下げていくとダークグリーンになる」カラーを基調とし、「黄金比1:1.619の三角で構成されている波形のストライプを入れた」マットカラーのラッピングを施すことで、低コントラストなカラーデザインを構築している。
その色味は奇しくもステルス性の高いミリタリーカラーであり、それ故に軍用車やそれをルーツとする本格オフローダーに通ずる力強さを感じさせる。だが大野さんによれば、「そうした意図はまったくなく、周囲の自然に溶け込むという点で方向性が共通したことで偶然そうなった」のだそうだ。
そして、正弦波(サインカーブ)をモチーフにした曲面基調の明るいウッドで構成される、テラスを載せたトレーラーは、一見すると非現実的な装いだが、じつはそうではない。市販のトレーラーフレームをベースに製作され、重量は日本の普通免許で運転できる750kg以下に抑制。
さらに、日本のナンバープレートを装着できる枠があり、その上のランプは赤(ブレーキ)や白(リバース)、オレンジ(ウィンカー)にも点灯可能とするなど、意外にもリアルさを外していない設計となっている。
今回出品される2台のエクストレイルはこのように、自動車メーカーのカスタマイズコンセプトカーらしく現実的な設計となっているのが見て取れる。
とくにT32リマスタードコンセプトは、2024年に奈良日産自動車から「CUBE Retro Renovation」(キューブ・レトロリノベーション)として20台限定で発売された「CUBE Refreshed & Retro CONCEPT」(キューブ・リフレッシュド&レトロコンセプト)や、2024年のオートサロンで発表された「MARCH Patissier CONCEPT」(マーチ・パティシエコンセプト)に続く、「中古車カスタマイズ第3弾」に位置付けられているだけに、コンプリートカーまたは各部品単体での市販化を期待せずにはいられない。