【試乗】アルカナに乗ってディーラーをみたら深く実感!! クルマ選びからルノーを外すのは損でしかない (2/3ページ)

安心かつ移動が楽しくなる走りはさすがルノー!

 走り出すとかなり驚かされる。E-TECH FULL HYBRIDは、「F1由来のドッグクラッチを使った特殊なトランスミッションを使っている」というものものしいキャッチで登場したので、いかにも激しいスポーティな走りをイメージさせられるがさにあらず。機構の説明は省くが、12の変速パターンをもち、ドライバーはただアクセルとブレーキを操作すれば、適切なギヤをセレクトしてくれる。

ルノー アルカナ エスプリ アルピーヌ E-TECHフルハイブリッドのシフトレバー

 エンジンのスペックは最高出力94馬力、最大トルク148Nmと、けっしてパワフルなのもではない。しかしE-TECH フルハイブリッドは、49馬力/205Nmのメインモーター、20馬力/50Nmのサブモーターを巧みに組み合わせ、12パターンの変速をもつトランスミッションとの見事な連携をみせる。信号待ちやETCゲートといった低速からの加速はアクセルペダルを踏んだ瞬間にモーターのトルクでグイッと出るようなイメージで、力強くかつレスポンスがいい。高速の追い越しなど中間加速も含めて、「間」が少なくダイレクト感が強い点が、このトランスミッションを含めたハイブリッドシステムの特長だ。

ルノー アルカナ エスプリ アルピーヌ E-TECHフルハイブリッドの走行シーン(リヤ)

 ハンドリングは、路面がフラットとはいいがたい公道で走行しても、タイヤのトレッド面がしっかりと路面に接地していて安定性十分。このあたりはサスペンションの設計とそれを狙いどおり動かすために必要なボディ作りの見事さだろう。ワインディングや首都高といったコーナーが連続するようなシーンで、コーナー途中にギャップがあっても不安にならない走りは、運転の楽しさに繋がるものだ。

ルノー アルカナ エスプリ アルピーヌ E-TECHフルハイブリッドのコーナリングシーン

 だからといってある種のスポーティカーのようなシビアさなのかといえばそうではない。たとえば高速をゆったり走っていても直進安定性が十分で、懐の深さを感じる。月並みな言葉だけれどしなやかなのだ。加えて、運転支援装備も素晴らしい。アダプティブクルーズコントロールと、レーンセンタリングアシストを組み合わせたハイウェイ&トラフィックジャムアシストは、0-160km/hで作動し(アダプティブクルーズコントロ−ルのみ170km/hまで機能)、高速巡航から渋滞まで運転の疲労軽減と安全性にもプラスに働く。

ルノー アルカナ エスプリ アルピーヌ E-TECHフルハイブリッドのステアリングスイッチ

 輸入車は日本の道路状況に合わないんじゃ……なんて思うかもしれないが、ルノーはシッカリと日本の公道を走り込んでクルマを仕上げている。それがバッチリと運転支援装備にも現れていて、たとえば混雑時に前が比較的キツイブレーキを踏んだとしても一瞬ブレーキが間に合わないんじゃ、なんてドキッとすることなく適切なタイミングかつスムースに減速してくれ、それでいて前が加速すると、後続車にストレスを与えないようなレスポンスで追従してくれる。やたらマージンをとっていて、ダラダラ何台にも割り込まれるような車間の取り方でもないから、積極的に使いたくなるシステムだ。

ルノー アルカナ エスプリ アルピーヌ E-TECHフルハイブリッドの高速道路の走行シーン

 すべては書かないがそのほか、360度カメラやブラインドスポットワーニング、パーキングアシストなど、安全&快適な運転支援装備も抜かりはない。

 もうひとつ、アルカナを「ちょうどいい」と思わせるポイントが燃費だ。燃費なら国産のハイブリッド、と断言して問題ないぐらい、多くの国産ハイブリッド車の燃費は図抜けている。カタログに載るモード燃費もそうだが、実際に走らせてのいわゆる実用燃費も本当に驚くほどの数値が出るのだ。そんな国産ハイブリッドに匹敵する、唯一といっていい輸入車がルノーのE-TECHフルハイブリッドである。今回試乗したアルカナの場合、WLTCモード燃費で22.8km/Lという数値。これまた輸入車らしく、実用燃費はかなりモード燃費に近いものとなり、アルカナもアレコレ試しながらの試乗でも20km/L付近で安定していた。余談だが、以前ルーテシアのE-TECHフルハイブリッドで800kmをロングランし、約27.8km/L(メーター表示は3.6L/km)という燃費を記録したこともある。そのぐらいE-TECHは燃費に優れている。


新着情報