クルマ好き永遠の憧れ「速度無制限のアウトバーン」! 「速すぎて危なくない?」「いつでも全開走行?」ドイツ在住ジャーナリストが真実を語る!! (2/2ページ)

進路変更に気をつけて無茶をしない走行を心がけよう

 すべてではないが、深夜帯にそこそこスピードを出すドライバーは運転がスマートでスムース、追い越したら走行車線へ戻り、後続のクルマの大半がそれにしっかりと後に続く形になっているので、非常に運転がしやすいと感じている。路面コンディションは非常によく、凸凹はほとんどないので快適にスピード走行ができるのもアウトバーンの魅力のひとつだろう。

 ただし、街灯はもほとんどなく、真っ暗闇のなかでは非常に視界が狭いので、アダプティブヘッドライトには非常に助けられている。LEDやレーザーライトの車両が遠く後方からも明るく照らしてくれるのはありがたいのだが、バックミラーに直射して眩し過ぎたり、合流の際には後続車の非常に明るいライトのせいで距離感が掴みにくいのは少々難点かも知れない。

 都市部近郊や事故多発区間以外のアウトバーンのジャンクションの合流であっても、速度制限解除となっている所が多いので、合流する際にはスムースに入れるように的確なスピードに上げる必要となるので、とくに夜間の合流の速度感には気を付けたいものだ。

 一方で、アウトバーンでは工事区間も非常に多く、40~80km/hに制限がされているのだが、かなり車幅が狭い上、2車線の区間では40トンのトラックがスレスレという場所も多いので、なかなかトラックを抜けずに渋滞をさらに悪化させるドライバーも多い。

 大きめの車両を運転する際や自信がないドライバーは無理せずトラックの後ろに着いて走るのが賢明だろう。工事現場の追い越し車線の車幅制限は2mや2.2mの箇所が多いのだが、最近流行りの巨大SUVやメルセデス・ベンツのVクラスのような大型バンが無理やりに狭い道路に大型トラックと並んで事故になるケースも起きている。

「アウトバーン有料化」「速度制限130km/h」案は毎年のように議会の話題に上がっているがいまのところ可決される気配はないので、環境団体や議員以外はとくに気に留めている人はさほど多くないのではないかと感じている。ヨーロッパで速度制限がないのはドイツだけだが、近隣国の速度制限がある国々のほうが高速道路での死亡事故は多く起きているのが現状であるのも現状は否決となっている一要素なのかも知れない。

 速度制限がないと、案外そんなにぶっ飛ばしている人はいないものだ。逆に速度制限があるほうが無茶をしたくなるのではないだろうか。


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