結構狭い業界「悪い噂」はすぐ広まる! 旧車乗りが必ずお世話になる「主治医」に嫌われない付き合い方とは (2/2ページ)

オーナーと主治医といえども最後は「人付き合い」

●同業の悪口は筒抜け

 行く先々で主治医とトラブルを起こし、半ば喧嘩別れのような形で別の整備工場の門を叩き、そこでもまたトラブル……といったことを繰り返す人がいます。いわゆる「トラブルメーカー」です。新たに敷居を跨いだ主治医のところで、過去の整備工場や主治医の悪口をいう……。これって案外筒抜けだったりするから要注意です。

 なかには先まわりして「俺んところから追い出したから、次にそちらに行くと思うよ」と伝えられ、迎撃態勢が取られている可能性もあります。そうなれば当然ながら門前払いです。悪口がきっかけで、そのうち誰も相手にしてくれなくなってしまうので要注意です。

●値引きは御法度

 ふた言目には「安くしてくれない?」と値引き交渉をしてくるオーナーさんがいます。いわゆる技術料への対価を値切るようなものなので、主治医からすればプライドが傷つけられることにもなりかねないどころか、どうでもいい客リストに載ってしまいかねません。

 なので、安心してください。良心的な主治医であれば、こちらがいわなくても、請求額以上のことはしてくれています。聞くだけ野暮というわけです。ぼったくるようなところはGoogleレビューなどですでにフルボッコにされています。

●セカンドオピニオンは避けるべき

 車検はAさんのところで通して、普段のメンテナンスはBさんのところで……といった具合に主治医を使いわける人がいます。これは実際に賛否両論ありますが、個人的には主治医のセカンドオピニオンについては否定派です。

 その理由として、いじりかたにはそれぞれのやり方があり、AさんとBさん、それぞれが「どうやっていじったのかなー」と現車を見ながら状況を把握し、「あぁ、こうやっていじったのか」と理解する必要があるからです。この時点でようやく本来の目的が果たせるスタートラインに立ったことになるのです。毎回、その手間と負荷を掛けていることを知る必要がありそうです。

●まとめ:人間同士の相性はかなり大事

 名医や神様といわれるほどの主治医でも、オーナーと波長が合うかは未知数です。お互いに「どうにもソリが合わないな」と感じるとしたら……。やむを得ずやんわりと事情を伝え、別の主治医のところにお世話になった方がいい場合もあります。

 いずれにしても、オーナー側が横柄な態度を取るのは御法度です。とはいえ、必要以上にへりくだる必要はありません。自分では手に負えない整備も鮮やかにこなしてくれる主治医に対して、最大限の尊敬と敬意の念を忘れずに……。


松村 透 MATSUMURA TOHRU

エディター/ライター/ディレクター/プランナー

愛車
1970年式ポルシェ911S(通称プラレール号)/2016年式フォルクスワーゲン トゥーラン
趣味
公私ともにクルマ漬けです
好きな有名人
藤沢武生

新着情報