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いつ右折したらいいかわからんぞ! 苦手な人の多い「時差式信号」の行っていいタイミングはどう判断するのが正解?

いつ右折したらいいかわからんぞ! 苦手な人の多い「時差式信号」の行っていいタイミングはどう判断するのが正解?

この記事をまとめると

■右折渋滞を防ぐ方法として時差式信号が設置されている

■時差式信号において反対車線の信号を見て走り出すのは危険だ

■信号だけでなく普段どおり歩行者や対向車の動きを見てから走るのが重要

時差式信号の正しい使い方

 世のなかには『時差式信号』というものがある。丁字路などの交差点において、片側の信号機のみ青信号を延長、反対車線の信号は赤を表示することで、右折がしやすくなるという効果がある。信号機というのは本質的にはスムースな交通の流れを生むために設置されているものであり、時差式信号は右折による渋滞の発生を抑制することが基本的な狙いといえる。

 とはいえ、右折の矢印が出るような時差式信号であれば信号を頼りに右折できる面もあるが、青信号が延長されるタイプの時差式信号においては、タイミングを見計らうのが難しい。「対向車線の信号が赤になっているかがわからないと自信をもって右折できない」と感じているドライバーも少なくないだろう。

 時差式信号には、ほぼ必ず「時差式」であることを示す標識が備わっている。その標識を確認したら、右折待ちの際に、首をひねって反対車線側が赤信号になることを確認することをクセにしている人もいるかもしれない。

 それはそれで、ひとつの運転術かもしれないが、反対車線が赤信号になることばかりに気を奪われてしまうのはNGだ。

 赤信号になったからといって反対車線のクルマが確実に止まってくれるとは限らない。時差式信号の場合、赤信号になっている車線の側から見ると「反対車線のクルマは減速せずに交差点を直進しているから信号は青に違いない」と錯覚してしまうこともあるからだ。

 安全に右折するためには、反対車線の信号表示よりも、実際に反対車線のクルマが減速・停止していることを確認することが優先される。同じく右折する先の横断歩道を歩行者が渡っている可能性もあるので、そうした確認も必要となる。

 冒頭でも触れたように、時差式信号というのは右折渋滞が発生しやすい交差点に設置されることが多いため、右折待ちのクルマが何台も連なることも少なくない。そうしたシチュエーションにおいて、右折する信号待ちの先頭になってしまうと焦ってしまうものだが、安全を最優先するには反対車線の信号が赤になったかどうかに頼るのではなく、対向車の減速・停止や歩行者の有無などを確認して右折する意識をもつことが重要だ。

 時差式信号であることに気付かず、反対車線のクルマが赤信号で止まっているのに右折をしないというのは論外だが、反対側の信号表示ばかりを気にして、実際の車両や歩行者の確認を怠ってしまうのも安全運転とはいえない。クルマの影から自転車やバイクが飛び出してくる可能性も意識しつつ、交差点がクリアになったことを確認してから右折したい。

 スムースな交通とは、直線でスピードを出したり、隙をみて右折したりするなど各車が素早く走ること……と思っているかもしれないが、交通の流れが最大に妨げられるのは事故が起きることだ。すなわち、交通事故を誘発しない、当事者にならないことがスマートなドライバーの第一条件といえる。

 交通の流れと安全を両立することが難しいのは事実だが、「急がばまわれ」ということわざもあるように、少しの時間を短縮するために大きな事故を起こしては意味がないのだ。

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