こんなんで公道走っていいのかよ! レーシングカーの「公道用バージョン」がもはや一般人には運転不可能オーラ全開だった (2/2ページ)

日本にも超弩級のホモロゲーションモデルは存在する

 日産のR390やトヨタの「GT-One(TS020)」も見逃せない。R390は1997年に1台のみがロードカーとして製作され、100万ドルの価格で販売される予定だったが、それは計画途中で中止。また、レースに使用されたモデルは、1998年のル・マン24時間レースにおいてR390で6位に入賞したエリック・コマスに売却され、コマスはその後それをロード仕様へと改造。そもそものロードカーは座間市にある日産ヘリテージ・コレクションに所蔵されている。

 トヨタGT-One(TS020)のロード仕様が製作されたのは1998年のこと。もちろんこのモデルも販売されることはなく、歴史のなかにその名を残すのみとなっている。

 サードがやはりGT1クラス規定を満たすために、1台のみを生産した「MC8R」は、トヨタの4リッター V型8気筒ツインターボエンジンをミッドシップするモデル。外観からも想像できるように、それはSW20型MR2をベースに開発されたモデルである。ちなみにエンジンはセルシオ用の1UZ-FE型が基本。現在の消息は残念ながら不明だ。

 そのほかにも、かつてのレーシングカーにインスパイアされたオンロードスポーツカーは数多くある。たとえばイギリスのアルティマ・スポーツ社が2019年に発表した「RS」は、かつてのグループCカーの面影を残すもの。パワーユニットはシボレー製の6.2リッター版V型8気筒で、もっともパワフルな仕様では1200馬力の最高出力を誇り、それが負担する車重はわずかに930kgというから、その運動性能は驚異的なものと想像できそうだ。

 レーシングカーとオンロードスポーツカー。その間にはレギュレーションが生み出した強い関係がある。今回はそのなかでもとりわけ特別な例を紹介したが、ほかにもレギュレーションにマッチさせるために生産されたモデルが多々あることは周知のとおり。そしてそれらはカーマーケットでも、常に高い人気を誇っている。


山崎元裕 YAMAZAKI MOTOHIRO

AJAJ(日本自動車ジャーナリスト協会)会員 /WCOTY(世界カーオブザイヤー)選考委員/ボッシュ・CDR(クラッシュ・データー・リトリーバル)

愛車
フォルクスワーゲン・ポロ
趣味
突然思いついて出かける「乗り鉄」
好きな有名人
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