やっぱりスペアタイヤのほうがいい! イザというとき流行の「パンク修理キット」じゃ「ダメな場合」とは (1/2ページ)

この記事をまとめると

■最近のクルマはスペースの都合やコストの問題からパンク修理キットを搭載している

■パンク修理キットでは小さな穴しか塞げずサイドウオールのダメージには使えない

■あくまで一時的なので穴が塞がってもすぐにタイヤ交換するのがベストだ

パンク修理キットは使えないことも多い

 長くクルマに乗っていると、タイヤがパンクして立ち往生してしまったという経験をした人もそれなりにいるでしょう。実際にロードサービスをおこなうJAFの出動理由では、バッテリー上がりに次ぐ2位にパンクが位置しているそうです。なかなかの多さですね。

 さて、運悪くパンクに遭ってしまった場合はどう対処するでしょうか? 昔ながらの人はスペアタイヤへの交換が真っ先に思い浮かぶと思いますが、ご存じの方も多いように、昨今のクルマではスペアタイヤを搭載していない車種も増えています。

 高級車ではパンクしてもある程度走行できるランフラットタイヤの採用例が多いようですが、一般的にはパンク修理キットを装備するケースが多いでしょう。

 そんなパンク修理キットは、メリットもある程度ある一方で、じつはデメリットも多いんです。ここではパンク修理キットのデメリットにフォーカスして話していきましょう。

■パンク修理キットのメリット

 パンク修理キットというアイテムを簡単に説明すると、タイヤの開いた穴を埋めて抜けた空気を充てんする器具のセットです。

 市販のパンク修理キットには大きく2種類あって、穴にゴムのピースを挿入して接着剤で癒着させて埋める方式と、空気注入バルブから空気に触れると固まる特殊な液体を流し込んで裏から穴を埋める方式に分かれています。

 この2種でもそれぞれメリットとデメリットがあり、向いているケースと向いていないケースがあるので、できれば使いわけるのがベストでしょう。

 セットの内容は、手動でパンクした穴を埋めるほうは、ゴム素材のピース(各社で違いがあります)と穴の状態を整えてピースを埋め込む工具、はみ出た部分をカットするカッター、そしてエアーコンプレッサーで構成されています。

 液体を流し込む方は、エアゾール式のボトル状の製品とエアーコンプレッサーのみというシンプルな構成です。

 スペアタイヤの代わりにパンク修理キットを装着する理由については、まず軽量化とスペースの効率化が大きいでしょう。

 スペアタイヤはサイズも重さもかなりあります。大人の男性でも片手では持ち上げられないくらいの重さとサイズがあり、女性では取り出すのもひと苦労でしょう。重さは燃費にも影響するので、コスト的にもよくありません。

 格納する場所は居住スペースやガソリンタンクなどの主要部分の容量にできるだけ影響がないところが選ばれるので車体の外寄りが多く、運動性能的にはデメリットになります。

 また、何より余分なスペースがあれば室内空間や安全装備の機器を納める空間を確保したいのが設計側の要望だと思います。あまりない機会のためにスペースを割くよりも、普段の使い勝手や安全のために使うほうがいいという判断で修理キットを採用しているのではないでしょうか。

 実際にパンクへの対処の手間を考えてみても、ジャッキアップしてタイヤを交換する手間と苦労に比べて、修理キットの場合はジャッキアップしなくても穴を塞ぐことができるので、労力の点ではかなりラクに済ませられると思います。


往 機人 OU AYATO

エディター/ライター/デザイナー/カメラマン

愛車
スズキ・ジムニー(SJ30)※レストア中
趣味
釣り/食べ呑み歩き/道の駅巡りなど
好きな有名人
猪木 寛至(アントニオ猪木)/空海/マイケルジャクソン

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