なんとくじ運も勝敗を左右! 国内最高峰の人気レース「スーパーGT」の知られざるタイヤ事情 (2/2ページ)

タイヤ戦略が勝負を左右する

 決勝では、予選で使用したAもしくはBのタイヤをスタート時に装着することになるが、このタイヤのコンパウンドが各チームのレース中のピット戦略を左右する。

 各チームはレース中にピットインを行い、このときに給油と合わせてタイヤ交換を行うが、新品タイヤを温存しているチームはレース中に1セットを投入可能で、逆にレース中の展開やスタート時に装着したタイヤの状態によっては“無交換”で走り切るチームもある。

 ここまでは通常の300kmレース、もち込みタイヤ本数が4本の場合の一般的なタイヤ運用のスタイルだが、各チームで自由な運用が可能で、どこで新品タイヤを使用するかが大きなポイントとなる。

 当然、5セットをもち込めた本大会は、コンパウンドの種類も含めてより柔軟なタイヤ運用が可能で、ポール・トゥ・ウインでGT500クラスのタイトルを獲得した36号車「au TOM’S GR Supra」、GT300クラスのチャンピオンに輝いた88号車「VENTENY Lamborghini GT3」もレースウィークを通して完璧なタイヤマネジメントを行っていたに違いない。


廣本 泉 HIROMOTO IZUMI

JMS(日本モータースポーツ記者会)会員

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