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「年末ジャンボが当たった→じゃあF80を予約」……はできない! フェラーリの特別モデルにはお金だけじゃ乗り越えられない壁がある!!

「年末ジャンボが当たった→じゃあF80を予約」……はできない! フェラーリの特別モデルにはお金だけじゃ乗り越えられない壁がある!!

この記事をまとめると

■フェラーリには限られたカスタマーにのみ購入の道が開かれる特別なモデルがある

■どれだけフェラーリ購入歴があるかという実績に応じて特別なモデルの案内が来るとされる

■ワンオフモデルを頂点とした確固たるヒエラルキーもまたフェラーリの大きな魅力だ

お金があるだけでは購入することができない特別なフェラーリ

 一台に何億円というプライスタグが付けられるハイパーカーの多くは、限定生産を前提としたモデルだ。生産台数をあらかじめ決めておくことで、それは将来的な希少価値を期待させる直接の理由となり、またその限定車を所有すること自体が、カスタマーの大きな誇りとなるからだ。

 そのもっとも象徴的な例は、やはりフェラーリのビジネスモデルだろう。フェラーリにはもちろん限定車ではない、対価を支払い、ある程度の長い時間を待つことで新車を手に入れることのできるモデルもあるが、その一方で限られたカスタマーにのみ購入の道が開かれたモデルもある。一般的にはスペチアーレと呼ばれる限定車がそれで、当初の計画どおりに限定生産が行われたという意味では、F50、エンツォ・フェラーリ、ラ フェラーリがそれにあたる(のちにスマトラ島沖地震やイタリア中部地震のチャリティのために製作された、各々1台は特別な例だ)。

 先日登場したF80は799台の限定車。それがどのようにしてカスタマーのもとに届けられるのかが今回のテーマだ。

 市場ではさまざまな噂が乱れ飛ぶフェラーリのスペチアーレを購入できる条件だが、実際のところその正確な情報が公表された例はない。今回の799台のF80にしても、市場の大きさから判断して、それぞれの国に、そしてディーラーに何台のF80を配分するかを決めるのはフェラーリ本社の仕事。数台程度の変更はあるかもしれないが、基本的にその比率が大きく変わるほどの変化があるとは考えられないから、日本にもある程度の台数のF80が上陸を果たすことは確かなところだ。

 問題はここからだ。F80に設定された価格は360万ユーロ(約6億円)。もちろん残念ながらその支払い能力がないほとんどの人は、F80を購入しようなどとは思わないだろう。ならばそれだけの資金をもつ人の場合はどうなのか。ここで重要なのは、それまでにどれだけのフェラーリを買ったことがあるのかという実績であるらしい。

 その詳細に関しては、繰り返すようだが正確な情報はないので、ここで触れることはできないが、ディーラーには独自の顧客リストが存在するし、またフェラーリ自身も世界中の上顧客を網羅したリストをもっていることは間違いない。

 そのリストをもとに、これまでの販売実績を参考に予備的な営業を行い、実際にニューモデル(この場合はF80)が発表された瞬間には、結果的に799台のすべてがソールドアウトであるというアナウンスが行われるというわけだ。

 ちなみにF80ではその数字はコメントされていないが、前作ラ フェラーリでは499台の限定生産数に対して、じつに1000人以上の購入希望者が名乗りを上げたという。

 とりあえず、フェラーリのスペチアーレを買うための道のりは、ディーラーで何台かのフェラーリを購入し、それを大切に所有しながら増車を繰り返していくのが、さまざまなオーナーから聞く最善の方法であるようだ。ここまでやれば、少なくとも新型のシリーズモデルの情報はもらえるようにはなるし、将来的にはスペチアーレの情報も届くようになるのかもしれない。

 フェラーリにはさらに生産台数の少ないフューオフモデルを製作する「イコナ」、そして究極の趣味ともいえる「ワンオフ」といったプログラムも用意されている。そのワンオフを頂点とした確固たるヒエラルキーもまた、フェラーリの大きな魅力であり、また多くのライバルメーカーがそれを追うところなのだ。

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