2024年のもっとも美しい色のクルマはCX-80の銅色! 開発者が狙った「溶けるような銅」とは (2/2ページ)

栄えあるグランプリはマツダCX-80が受賞

●グランプリはマツダCX-80の新しいカッパー色に

 さて、特別賞に続いて発表された今年のグランプリはマツダのCX-80が受賞となりました。テーマは「ELEGANCE & EMOTION デザイナーとペインターの共創と挑戦」で、対象カラーはエクステリアがメルティングカッパーメタリック、インテリアはブラックです。

 講評では、「デザイナーとペインターというクリエイター同志の意志疎通を図るため、コミュニケーションメディアとしてのオブジェを作った点が目新しく、今後のCMF開発のヒントになった。なにより、これまでになかった色域を追求、実現した点が素晴らしい」と他社が羨むほどの開発体制が評価されました。

 開発を担当した、同社デザイン本部の堤 遙加さんと渡邉瑞希さんに話を聞くと「カッパーは最近トレンドとしてEVなどに使われていますが、そうではなく、CX-80をより上質に見せる華やかな色として直感的に銅色をイメージしました。そのなかでも、同車の抑揚ある滑らかな面を意図して『溶けるような銅』を追求。ハイライトはしっかり出しつつ、シェードは柔らかいという陰影にこだわって開発しました」と狙いを語ってくれました。

 また、両氏はCMFデザインについて「モデラーさんやペインターさん達と協力し、色と造形でクルマを作り上げていく過程が面白いですね。また、完成したときの達成感はもちろん、街なかで担当したクルマを見た際に、どんなユーザーさんなのかを想像するのも楽しいところです」とその醍醐味も語ってくれました。

 さて、カーデザインといえばどうしても外形であるエクステリアデザイナーに光が当たりがち。ただ、ボディカラーやインテリアの素材開発までを行うCMFデザインはある意味、より多彩な要素を持った世界といえます。そうした素晴らしさを広く周知する機会として、このオートカラーアウォードは非常に貴重なイベントといえるでしょう。


すぎもと たかよし SUGIMOTO TAKAYOSHI

サラリーマン自動車ライター

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いすゞFFジェミニ4ドア・イルムシャー(1986年式)
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オヤジバンド(ドラムやってます)/音楽鑑賞(ジャズ・フュージョンなど) /カフェ巡り/ドライブ
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